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何色をあわせたらベスト?グレーファッションの最新攻略法【ファッションプロの週間コーデ予報/濱本愛弓編】

何にでも合わせやすく、でも黒ほどは重たくならない万能カラー、グレー。ただともすればコンサバになりがちなところが気になるところ。今回はそんなお悩みを解決すべく、グレーをモードに着こなすためのハウツーを濱本さんが解説。相性がよい差し色からメリハリのつけ方まで、最新ティップスをお見逃しなく。
何色をあわせたらベスト?グレーファッションの最新攻略法【ファッションプロの週間コーデ予報/濱本愛弓編】

編集O 今シーズンのスナップではグレーを着ている人が目立っていました。濱本さんも最近グレーを着用していた印象があったので、ぜひ今週はそのお話をお伺いできればと。

スポーツマックス(SPORTMAX)2023年春夏コレクションより。Photo: Filippo Fior / Gorunway.com

濱本 そうですね。スポーツマックス(SPORTMAX)に始まり、この秋冬はまさにグレーの気分でした。昨年の「本当に買ってよかったベスト・アイテム」で紹介したメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA) のコルセットボディスーツや、「ベーシックコート」の回で着用したメリル ロッゲ(MERYLL ROGGE)などお気に入りのアイテムも多いです。

編集O 濱本さんが惹かれるグレーの魅力とは、どんなところなのでしょうか?

濱本 大人の抜け感が出せるところです。実際に自分も年齢を重ねるにつれ、その魅力にきづきましたし、違和感なく着こなせるようになった気がします。

編集O たしかにグレーを素敵に着こなしている人は、気負っていない雰囲気がありますよね。

Photo: WWD/Getty Images

濱本 そうなんですよね。例えば上の彼女のようにヴィヴィッドな赤リップを塗っていても、グレーだと落ち着いた印象に見えるのが魅力。どんなタイプの人でも似合う万能カラーだと思います。黒ほど重く見えないので、今買っても春まで着れそうですよね。

全身グレーのコーディネートはグラデor締め小物で攻略を

プラダ(PRADA)2023年春夏コレクションより。Photo: Filippo Fior / Gorunway.com

編集O ランウェイを見ていると、春夏シーズンも引き続きグレーが楽しめそうですよね。プラダ(PRADA)のオールインワンは、90年代のプラダを彷彿させるミニマムなデザインで気になりました。

濱本 素敵でしたよね。私もチェックしていました。全身グレーの着こなしをシューズで引き締めるバランスもすごく参考になると思います。

編集O スナップを見ていると、異なるトーンのグレーを組み合わせている人も多かったですよね。

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

濱本 そうですね。私が気になったのは、サカイ(SACAI)のショー会場でキャッチされた台湾出身のモデル、キーウィー・リー。黒のデザインベルトでウエストを引き締めるなど、細部にまでこだわった見事なコーディネイトです。

編集O このバランスは参考になりそう。

Photo: Christian Vierig/Getty Images

濱本 あとは異素材ミックスでメリハリをプラスするのも一つのテクニックだと思います。この方のようにボリューミィなファーシューズを取り入れるのも素敵。タイツを見せるスタイリングは難易度が高そうですが、もしコートの前を閉めていたらリアルにお手本にできると思います。

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

レザーパンツの組み合わせもスタイリッシュだと思います。

編集O いずれにしても、引き締め効果のある小物合わせはマストですね。ビギナーにオススメの着こなしはありますか?

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

濱本 シンプルなパンツから始めてみてはいかがでしょうか。この方のように黒の着こなしにプラスするだけでも、ぐっと雰囲気が変わりますよ。

モード派はポイントカラーorワイドパンツをチェック

編集O よりモードに楽しみたい人は、どのような着こなしがオススメですか?

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

濱本 私もよく実践しているのですが、カラーアイテムを1点プラスした着こなしがオススメ。個人的に好きなのはグリーンや赤、オレンジです。このスナップの男性のようなバランスもすごく素敵だと思います。グレーはともすればコンサバになってしまうので、エッジをプラスするようなイメージです。

編集O 誰でも似合うポイントカラーがあれば、ぜひ知りたいです!

Photo: Christian Vierig/Getty Images

濱本 赤じゃないでしょうか。このスナップの彼女のように小物から始めると難しくないと思います。赤は黒と組み合わせると強めな印象に見えがちなのですが、グレーだとちょっと柔らかい印象になりますよね。

編集O たしかに。カラー以外で気になる着こなしはありますか?

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

濱本 ディーゼル(DIESEL)ランウェイでも見かけましたが、ワークテイストのアイテムも気になっています。カーキだとミリタリーテイストが強調されますが、グレーだとハードさが軽減されて垢抜けて見えますよね。自分にフィットするアイテムがあったら欲しいなと思います。

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

編集O 私は上の方のように、ボリュームのあるボトムを合わせたいと思いました。あえてきちっとキメすぎないリラックスしたムードが新鮮でした。

大人のこなれ感が漂うリアルなデニム合わせにも注目

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

編集O スナップではフェンディ(FENDI)も人気でしたね。フランス版『VOGUE』のユージェニー・トロシュもさらりと着こなしていました。

濱本 あえてベーシックなデニムを持ってきているところに、大人の余裕を感じました。私ももう少し年を重ねたら、こういう感じの着こなしにトライしたいんですよね。

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

この方もそうなのですが、定番のコートやパンツにスニーカーを合わせた、まさに究極のエフォートレスシック。フィービー・ファイロやステラ・マッカートニーが偏愛しているスタイルですよね。

編集O まさに。アイコニックなコーディネートですね。

Photo: Jeremy Moeller/Getty Images

濱本 今の時期だったらグレーのロングコートとデニムの組み合わせもリアル。デニムだったらシンプルな着こなしでもコンサバにならないので、誰でも挑戦しやすいと思います。

Photo: Edward Berthelot/Getty Images

そして全く真逆になるのですが、ディオール(DIOR)のようなクラシカルなスタイリングもやっぱり素敵。どっちつかずにならないようにカジュアル、もしくはモードに振り切るのがグレーを攻略するポイントになってくるかと思います。

濱本さんのグレースタイルをご紹介

グレーにポイントカラーを効かせた私の定番スタイルを紹介します。シンプルなトップはザラ(ZARA)。レイヤードしたオレンジのショートパンツはプラダ(PRADA)、デニムパンツはアリーズ(ARIES)。シューズはジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI )です。

今回はカーゴパンツでトレンド感も意識してみました。グレーのシンプルなトップは春先にかけて一枚持っておくと使えると思うのでオススメです。ポイントカラーは小物で取り入れるのも素敵ですよね。

Profile
濱本愛弓
『VOGUE』をはじめモード誌をベースに活動。スタイリスト業と並行してブランドのディレクション業やコラボレーションでも多忙を極める。生粋のファッションラバーで、自身のモードな着こなしも話題の的。

Text: Asa Takeuchi Editor: Kyoko Osawa