ドル・円は3週間ぶり140円台、米金利低下や日銀修正観測で円買い
酒井大輔
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11日の東京外国為替市場のドル・円相場は約3週間ぶりに1ドル=140円台後半まで下落。前日にインフレ鈍化への期待から米国金利が低下したことで、円の買い戻しが続いている。日本銀行の7月会合での政策修正観測が高まりつつあることも、こうした流れに寄与した。
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ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは、投機筋の円売りポジションが積み上がり調整のタイミングを探っていたところで、米雇用統計や日銀の政策修正観測の高まりが円買い戻しのきっかけになったと指摘。ただ、金利スワップ市場の米利上げ織り込みはほとんど変わっておらず、ドル・円下落はあくまで「6月の急激な上昇のスピード調整」とみる。
10日の米国債相場は全ての年限で金利が低下。6月の米中古車価格が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)開始以来最大の下落となったほか、ニューヨーク連銀調査でインフレ期待の低下が示された。11日の時間外取引でも米金利は低下した。
ドル・円はテクニカル分析から140円の節目を割れて下落する可能性が出てきている。チャートの規則性を見いだす「エリオット波動」理論によると、現在は上昇第4波の下向き局面にあり、3月高値137円91銭付近までドル安・円高が進む余地がある。
【視点】エリオット波動はドル・円138円台を示唆、円高基調続く公算
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