いま選ぶなら、どの「Kindle」が最適? 2022年版の購入ガイド

電子書籍を読むための端末として人気のアマゾン「Kindle」。モデルチェンジを重ねて選択肢が増えてきたなか、この2022年に選ぶべき最適なKindleはどれなのだろうか? 価格や用途に合わせて解説する。
Kindle Paperwhite
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アマゾンの「Kindle」は、わたしたちのお気に入りのデバイスのひとつである。シンプルで信頼性が高く、「本を読む」ための機能をパーフェクトに備えているからだ。

手のひらサイズのデバイスに数千冊もの書籍を保存して、山小屋や公園に持っていくことができる。1回の充電で1カ月以上は使える上に、登録すればアマゾンの読み放題サービスを楽しめる。米国では地元の図書館から無料で本を“借りる”ことも可能だ。

とはいえ、いったいどのKindleを選べばいいのだろうか。さまざまなモデルが用意されたKindleの違いを紹介しよう。

[編註:2022年9月に発表された新型の「Kindle」基本モデル「Kindle キッズエディション」を反映して9月29日にアップデート]

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誰もが満足するモデル

「Kindle Paper White」(2021年モデル)

多くの人は、最新の「Kindle Paperwhite」(日本では14,980円から)を気に入るだろう。これで、アマゾンの防水性能が付いた電子書籍リーダーは3種類に増え、Paperwhiteは高価なモデル「Kindle Oasis」に匹敵するようになった。

今回は「Kindle Paperwhite シグニチャー エディション」をテストしたが、どのモデルも画面は6.8インチになり、ベゼル(画面の枠)は小さくなっている。画面の最大輝度はどのモデルも上がっており、調節可能な暖色系ライトが搭載された。しかし、周囲に合わせて明るさを自動で調節する機能は、シグニチャー エディションだけしか搭載されていない(この自動の明るさ調節機能はすべてのKindleに標準搭載されるべきだと思う)。ページをめくる速度は上がっているので、読書のペースが乱されることはないだろう。

シグニチャー エディションのストレージ容量は32GBで、通常版のストレージ容量は8GBだ。もちろんこの差は大きいが、8GBの容量でもたくさんの本は読める(およそ5,000冊は保存できるだろう)。ただし、オーディオブックを頻繁に利用する人は、1冊あたりの容量が大きいので、シグニチャー エディションを購入したほうがいいかもしれない。

出費を抑えたければ、読了した本やオーディオブックは定期的に削除するよう心がけよう。アマゾンのアカウントから本のデータを削除することなく、ストレージを空けられる。最新のPaperwhiteモデルはUSB Type-C(USB-C)に対応されており、シグニチャー エディションはワイヤレス充電にも対応している。

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基本機能を備えた選択肢

「Kindle」(2019年モデル)

電子書籍リーダーを探しているなら、「Kindle」(日本では10,980円から)は基本的な機能をすべて備えており、手ごろなデバイスだ。基本モデルのKindleは、読書に適切な6インチのe-inkディスプレイを搭載し、静電容量式のタッチ操作に対応している。また、ライトが内蔵されているので、暗いところでも難なく読める。

関連記事第10世代「Kindle」レビュー:フロントライトが快適な最高のエントリーモデル

もし、20ドル(日本では2,000円)多く支払えるのであれば、ホーム画面の「広告なし」モデルをおすすめしたい。Bluetooth経由でヘッドフォンに接続すれば、「Audible」のオーディオブックをストリーミングすることもできる。

ただし、ストレージ容量は8GBという制約がある。参考までに言うと、1時間分のオーディオには30MBほどの容量が必要なので、それなりのオーディオブックを保存できるだろう。読み終えたらオーディオブックを削除して、空き容量を増やすこともできる。ほとんどの電子書籍リーダーと同じように、バッテリーの持続時間は3週間から6週間程度で、読む量によって異なる。

ついに第11世代モデルが登場:アマゾンは、ようやく第11世代の「Kindle」基本モデルを発表した。ストレージ容量は倍の16GBに増え、解像度もこれまでの197ppiから300ppiへと高くなっている。これにより、文字がはっきり見えるようになったのだ。USB-Cの充電ポートが搭載されているので、ノートPCやタブレット端末、もしくはAndroidスマートフォンと同じケーブルを使った充電が可能だ。旧モデルと比べると広告なしモデルの価格は20ドル(日本では2,000円)高く、120ドル(同12,980円)で購入できる(広告ありモデルの日本価格は同額)。もし新しい電子書籍リーダーを探しているなら、新しいモデルの購入をおすすめしたい。

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高価だが満足度が高い

「Kindle Oasis」(2019年モデル)

270ドル(日本では29,980円から)の電子書籍リーダーを購入すべき実用的な理由はない(「広告つき」なら20ドルを節約できるが、ここまで払ってそうしたくはないだろう)。「Kindle Oasis」の価格は標準モデルのKindleの約3倍だが、使っていてうれしくなる端末だ。

新型のKindle Paperwhiteには、明るさを調節できるウォームホワイトの照明や高速なプロセッサーなど、Kindle Oasisならではだった機能の多くが搭載されている。それでも、7インチのタッチスクリーンは新型Paperwhiteよりもわずかに大きく、アルミニウム製の洗練されたデザインも健在だ。

片側に出っ張りのある握りやすいデザインを採用したアルミニウムボディには、ページをめくるための物理的なボタンがついている。このため、片手で読むには理想的だ。ディスプレイのライトは従来型より少し自然な色調で、自動的に明るさが調整される。

このくらい高価なKindleに投資するなら、純正のプレミアムレザーカバーもつけて高級感を極めたいかもしれない。欠点を挙げるとすれば、大きすぎて多くのポケットに収まらないことだ。

子どもの読書に最適

「Kindle Paperwhite キッズモデル」(2021年モデル)

「Kindle Paperwhite キッズモデル」は、通常モデルよりもサイズが大きく、読みやすい画面がはめ込まれている。また、色調の選択肢も多く、IPX8の防水機能が初めてキッズモデルに搭載された。ほかの性能は最新のKindle Paperwhiteと同じだが、1年間の「Amazon Kids+」の利用が含まれている。Amazon Kids+では、子ども向けコンテンツの視聴と保護者による監視が可能だ(アマゾンのタブレット端末「Fire」シリーズや、スマートスピーカーの「Amazon Echo」シリーズなど、ほかのアマゾンデバイスからもAmazon Kids+は利用できる)。

また、キッズモデルには2年間の無条件交換保証が含まれている。つまり、子どもがデバイスを壊せば、払ったお金を一度だけ取り戻すことができるのだ。子どもにエンターテインメント用の端末を与えるなら、ウェブブラウザーやソーシャルメディアを利用できない電子書籍リーダーが最も安全であろう。ブラウザー機能も付いているが、標準で制限されている(もちろん解除することも可能だ)。

最新モデルが登場:アマゾンはこのほど「Kindle キッズモデル」の最新版を発表した。ストレージ容量は16GBに増えており、旧モデルとPaperwhiteの倍の容量だ。また、充電ポートにはUSB-Cが採用されているが、防水機能は付いておらず、価格も120ドル(日本では12,980円)と10ドル(同2,000円)値上がりしている。

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旧モデルでもそれなりに使える

「Kindle」(2013年以降のモデル)

友人から古い「Kindle」を譲り受けるのもいいかもしれない。なお、アマゾンがこれまで販売したすべてのKindleは、Amazonのページから確認できる。

仮に旧モデルを入手するなら、第6世代の「Kindle Paperwhite」(2013年モデル)以降ならおそらく問題ないだろう。ディスプレイのピクセル数がやや少なく、オーディオブック用のBluetooth接続や防水機能などに対応していないかもしれないが、古いKindleは中古品や再生品であっても一般的な読書には十分に利用できる。

古いKindleの登録を解除して初期化してから、あとは自分のアカウントを登録すればいい。

旧モデルに関するメモ:旧モデルは、新しい書籍の購入やレンタル、そして商品の検索ができなくなっている。だが、PCやスマートフォンからKindleにデータを送ったほうが、操作性は高い。アマゾンによると、第5世代の「Kindle Paperwhite」に影響が出ているようだ。もし、どのKindleをもっているかわからない場合は、ここから確認できる

あまりに古いモデルは避ける

一般的な経験から言うと、「Kindle」の本体前面にボタンやキーボードがついているモデル(新しいOasisを除く)なら、いまさら購入すべきではない。機能するかもしれないが、新しいデバイスのほうがはるかに快適だ。アマゾンの電子書籍コレクションはクラウドに保存されているので、どのタブレット端末やスマートフォン、Kindleからでもアクセスできる。

WIRED US/Translation by Daisuke Takimoto, Naoya Raita)

※『WIRED』によるKindleの関連記事はこちら


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