BEAUTY / EXPERT

抗炎症こそが王道。インとアウトからのブライトニング技【透明感の育て方】

くすみやノイズを浄化し、透明感を磨きたい……。私たちの願いに早く確実に応えるべくコスメが注力するブライトニングトレンドをレポート。まず取りかかりたいのが抗炎症。コスメからだけでなく、内側からの抗炎症にもフォーカスを!

 シミの元を作らせない。微弱炎症を鎮静する、イン&アウト技

Photo: TOM BRANNIGAN / TRUNK ARCHIVE

ブライトニングにトレンドがあるとしたら、そのキーワードは間違いなく“抗炎症”。「ここ数年、炎症の研究が進み、それが肌の老化を加速させる引き金になること、そして、シミやくすみ、色ムラなどに関して悪影響を及ぼしていることもわかっています。最新のスキンケアで炎症をターゲットにしていないブライトニングコスメを見つけるほうが難しいくらい、大きなムーブメントといえるでしょう」と岡部さん。紫外線を浴びていないのにシミが増える、という疑問に対する答えもここにある。

昔から頬や目尻の下あたりに左右対称にモヤっと広がる肝斑の改善には、第一三共が開発した抗炎症成分トラネキサム酸の内服が推奨されていて、2005年にはトラネキサム酸がメラニンの生成を防ぐ有効成分として認可された。そのことからも、炎症を抑える=色素沈着を防ぐ有効な手段であることは明らかだ。では炎症とは一体何? わかりやすいのは、マスクやスキンケア時の摩擦。赤みが残ったり、ヒリヒリしたり……。でも私たちの目には見えないダメージも山ほどある。「紫外線を筆頭に、花粉やPM2.5などの微粒子、乾燥、過剰な皮脂、高温多湿や激しい温度差などの環境要因、疲れ、睡眠不足、精神的ストレスなど。一見肌とは関係ないように見えるそれらの要素が、細胞や血管にダメージを与え、炎症物質が発生。じわじわ蓄積する慢性の微弱炎症は、シミや色素沈着に大きく関与しているという報告が」(岡部さん)。炎症を抑える目的で配合されるのは、トラネキサム酸、グリチルリチン酸2K、アラントインなどのほかレモンバームやエーデルワイス、カンゾウ、サクラ葉など植物由来成分も。

ポーラの研究によると、ストレスや疲れが続くと血液中でTARCという炎症物質の産生が増え、それが肌の赤みや明るさ減少の要因になっている、という。化粧品では難しい血管や細胞のメンテナンスは、体内からのアプローチを加えるサンドイッチケアで、炎症の火種を急いで消去!

イン&アウト、Wで叶う抗炎症コスメコスメ6選

独自の美白成分と抗炎症成分、保湿成分で満たし、肌色が一気に垢抜ける。ホワイトショット マスク QXS〈医薬部外品〉 18ml×7包 ¥7,480/ポーラ(0120-117-111)

透明感を高める植物由来成分がたっぷり。同 インナーロック リキッド IXS 30ml×10本 ¥6,264/ポーラ(0120-117-111)

メラニンの排出を促すビタミンC、L-シスチン配合。グルタチオンの産生にもアプローチ。美容サプリメント 90粒 ¥5,400/HAKU(資生堂お客さま窓口 0120-81-4710)

2種の美白成分を深く届け、シミを作らない、増やさない。肌荒れも鎮静。メラノフォーカス EV〈医薬部外品〉 45g ¥11,000(3月21日発売)/HAKU(資生堂お客さま窓口 0120-81-4710)

ビタミンC、L-システインは最大量、パントテン酸カルシウムで効果をサポート。ホワイトCプレミアム〈第3類医薬品〉 180錠 ¥3,520(編集部調べ)/TRANSINO(第一三共ヘルスケア 0120-013-416)

トラネキサム酸配合美容液がさらに進化。赤みを抑えて明るさアップ。薬用メラノシグナルエッセンス〈医薬部外品〉30g ¥4,950(編集部調べ)/TRANSINO(第一三共ヘルスケア 0120-013-416)

話を聞いたのは……

岡部美代治
ビューティサイエンティスト。山口大学文理学部理学科生物学卒業。コーセーの研究所を経て、アルビオンにて商品開発、マーケティングを担当。2008年に独立し美容コンサルタントとして活動。スキンケアを中心とした美容全般をわかりやすく解説する。

Photos: Daigo Nagao Text: Eri Kataoka Editor:Kyoko Muramatsu

『VOGUE JAPAN』2023年4月号「最先端コスメで 澄み切り肌を手に入れる」転載記事。