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ファナック株が1カ月半ぶりの高値-中国市場は「ほぼ回復」

  • 一時12%高の1万6585円を付け3月9日以来の高値水準
  • ロックダウン解除後の業績回復に期待-SMBC日興

ファナック株が1カ月半ぶりの高値。4-9月期の連結営業利益は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2010年3月期以来11年ぶりの低水準に落ち込む見通しだが、山口賢治社長は中国について「ほぼ回復している」と説明した。

  株価は一時前週末比12%高の1万6585円を付け3月9日以来の高値となった。同社が24日発表した営業利益計画は前年同期比61%減の189億円。ただ山口社長は決算会見で7-9月期の売上高は4-6月期に比べ増加するとの見通しを示した。

  SMBC日興証券の大内卓アナリストは24日付のリポートで、会社計画が低水準なのは欧米の都市閉鎖(ロックダウン)の影響が主な要因だとし、営業利益を350億円と予想する。ロックダウンが「徐々に緩和されてくるに従い、全般的に同社業績が回復基調に転じる可能性がある」と述べた。

4-9月期計画

  • 売上高   1979億円(▲24%)
  • 営業利益  189億円 (▲61%)
  • 純利益   164億円 (▲59%)

  20年1-3月期の営業利益は前年同期比32%減の197億円だった。ただ今後の業績を左右する受注は、中国や米州向けの増加を受け前四半期と比べて6.8%増の1265億円となった。

  各国の都市封鎖の影響が3月ごろから売り上げに悪影響を与えており、急ぐ必要のない設備投資は先延ばしする。

  業績の悪化を受け、20年3月期の年間配当は300円00銭となり、前の期の1003円11銭を大幅に下回る見通し。また新任の社外取締役として元宇宙飛行士の山崎直子氏が加わる。  

  ファナックは工作機械などに組み込む数値制御(NC)装置で世界シェアトップ。ブルームバーグのデータによると韓国サムスン電子や台湾の鴻海精密工業トヨタ自動車などに製品を供給している。

1-3月期の業績
  • 売上高   1217.8億円(▲13%)
  • 営業利益  197.4億円(▲32%)
  • 純利益   168.5億円(▲34%)
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