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トヨタとスバル、資本提携で共同開発が円滑にースポーツカーで成果

  • 資本提携で率直な議論や情報共有が可能にースバルBRZ開発責任者
  • トヨタなどは資本提携で仲間づくり推進、投資家は株式持ち合い批判
両社の共同開発車は2012年に発売を開始した.

両社の共同開発車は2012年に発売を開始した.

Photographer: Kiyoshi Ota

企業統治(コーポレートガバナンス)や資本効率の観点から株式持ち合いに投資家から厳しい視線が注がれる中、トヨタ自動車など一部の国内自動車メーカーは資本提携を通じた「仲間づくり」を推進してきた。その1社であるSUBARU(スバル)は資本関係があることで新車の共同開発という難しい作業が円滑になるなどのメリットもあると考えている。

SUBARU BRZ
スバルの新型「BRZ」
Source: Subaru Crop.

  トヨタとの共同開発で7月に国内で発売されたスバルの新型スポーツカー「BRZ」の開発総責任者である井上正彦プロジェクト・ゼネラル・マネージャーは、資本提携により両社が胸襟を開いて開発に必要な情報を共有することが可能になったと強調する。

  トヨタとスバルは以前から業務提携の関係で、初代のトヨタ・86とBRZの共同開発に加え、受託生産や車両供給などで連携してきた。2019年に資本提携に踏み切って関係はさらに深まった。

  自動車メーカーごとに部品などの採用基準が異なり、持ち寄る技術を開示できない点にも共同開発の難しさはある。資本提携前の開発では技術情報などで「トヨタ側が開示できない領域」が残る中、両社の連携が思うように進まないこともあったという。

  井上氏は一例として、スバルがトヨタからハイブリッドシステムの供給を受けて米国で販売する「クロストレック(日本名:XV)」のプラグインハイブリッド車(PHV)を挙げる。この車では結局、「ほぼほぼモーターしかトヨタから供給を受けていなくて、あとは全部外で作っている」と指摘。「うまくアレンジして使った」ものの、効率の悪さは明らかだった。

  井上氏は、資本提携後は両社の開発チームが議論する際に「ちょっと踏み込めるようになっていった」とし、双方の事情を率直に相手に伝え、お互いが妥協できる部分は譲歩して開発を進めるスタイルができていったと述べた。

  

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