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ドラッケンミラー氏「米金融政策は過激で不適切」-ドルにも脅威

更新日時
  • 現行の財政・金融政策は過去に経験した中で「間違いなく最も過激」
  • ドルは「15年以内に準備通貨の地位を失う可能性の方が恐らく高い」

資産家のスタン・ドラッケンミラー氏は、恐らくは米連邦準備制度の金融政策のおかげで投資リターンが昨年プラス42%、今年はプラス17%になったとしながらも、現行の財政・金融政策について、これまでに経験した中で経済情勢とずれた「最も過激な政策であるのは間違いない」との認識を示した。

  ドラッケンミラー氏は11日のCNBCとのインタビューで、「金融・財政政策がこれほど経済情勢からずれている局面」を歴史上見たことがないと発言。「今の市場ではサルでも金もうけできるだろう」と述べ、「全ての市場が激しい熱狂の中にある」のは疑いないと主張した。

  同氏は「われわれは昨春の6週間で量的緩和(QE)を拡大し、2009-18年の期間全体を上回る米国債を購入した」とした上で、(新型コロナウイルス)ワクチンが確立し、小売売上高がトレンドに達した後も、連邦準備制度が2兆5000億ドル(約272兆円)の買い入れを行う見通しであることが真の問題だと語った。

  その上で、昨年時点ではV字回復が「幻想」だと考えていたが、とんでもない勘違いだったと振り返り、「われわれはブラックホールの中にいるかのようになお行動している」と指摘した。

  ドラッケンミラー氏は米国の金融政策がドルの地位に与える影響については、「連邦準備制度は(米国債の)マネタイゼーション(財政ファイナンス)に動かざるを得なくなろう。ドルに恐ろしい影響があると思う。15年以内に準備通貨の地位を失う可能性の方がそうならない可能性より恐らく高いだろう」と予測した。

  ただ、ドルに代わる準備通貨を見つけるのは難しいと予想し、暗号資産(仮想通貨)から派生する何らかのデジタル台帳システムが一番確実な候補との見解を明らかにした。

  

原題:Druckenmiller Tells CNBC Fed Policy Is Totally Inappropriate (1)、*DRUCKENMILLER SAYS FED POLICY ENDANGERING DOLLAR STATUS: CNBC(抜粋)

(ドルの地位に関する発言を追加して更新します)
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