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サウジのアルワリード王子、ロシア石油企業に5億ドル投資-侵攻前後

  • ガスプロムとルクオイル、ロスネフチの預託証券を2月に取得
  • キングダム・ホールディングがDRを引き続き保有しているかは不明

サウジアラビアの富豪アルワリード・ビンタラール王子が、2月24日のロシアのウクライナ侵攻に近い時期にロシア企業に5億ドル(現在の為替レートで約666億円)余り投資していた。

  アルワリード王子の投資会社キングダム・ホールディングは、ロシア国営天然ガス独占企業ガスプロムのほか、石油会社ルクオイルロスネフチの預託証券(DR)を2月に取得したことが証券取引所への届け出で明らかになった。

  投資が行われた具体的な日時は不明。それらDRを引き続き保有しているかどうかキングダムに問い合わせたが、これまでのところ返答はない。ロシアのウクライナ侵攻後にモスクワでの取引が停止し、西側諸国がロシアに制裁を科す中で、DRの価値は急落した。

  届け出によれば、キングダムは2020年以降、世界の株式やDRに34億ドルを投じた。

Exclusive: Saudi Arabia's Prince Alwaleed bin Talal
アルワリード・ビンタラール王子
Photographer: Guy Martin/Bloomberg

  サウジ最大の富豪の1人で、国際投資家としても著名なアルワリード王子は、17年に汚職摘発という名目で他の王子や政府当局者と共に首都リヤドのリッツ・カールトン・ホテルに拘束されたが、非公開の当局との合意で決着し、解放された。

  サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が主導する同国の政府系ファンド (SWF)は、キングダムの権益16.9%を今年5月に取得した。

原題:

Saudi Billionaire Made $500 Million Russia Bet Near War’s Onset(抜粋)

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