マレーシアの資金とゴールドマンへの手数料取り戻す-マハティール氏
Anuradha Raghu、Yudith Ho-
1MDBのスキャンダルを巡る調査、世界的に広がる
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前政権は不正の疑い避けるため資金の請求をしていないと首相
マレーシアのマハティール首相は22日、政府系投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)を舞台にした前政権の汚職疑惑を巡り、同社を通じ失われた可能性のある資金45億ドル(約5000億円)とゴールドマン・サックス・グループに支払われた手数料を取り戻したいと述べた。
5月の総選挙で政権交代を果たし92歳で首相に返り咲いたマハティール氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「資金が誰のものかをはっきりさせる必要がある」と明言。「前政権は不正の疑いを避けるため、その資金は政府のものではないとし、一切の請求をしていない。だがわれわれはそれが国の資金であることを知っている。1MDBから出たものだ」と語った。
1MDBのスキャンダルを巡る調査は世界的な広がりとなっている。米当局は不透明な取引とペーパーカンパニーを通じ45億ドル余りが1MDBから流出したとみており、こうした疑惑がナジブ前首相率いた政府への国民の不信感につながり、歴史的な政権交代が実現した。
マハティール氏はインタビューで、ゴールドマンに支払われた多額の手数料について懸念しているとも話した。同社は1MDB向けに3回の起債業務を担当し5億9300万ドルを得た。マハティール氏は1MDBがゴールドマンに10%の手数料を支払い、金利6%を受け入れたと指摘し、政府の借り入れコストは3%程度であるべきだと主張した。
ゴールドマンの広報担当者エドワード・ネイラー氏(香港在勤)は、1MDBとの取引について「特に特定の債券に絡んだ信用スプレッドの動きやヘッジコスト、基調的な市場環境など当時想定されていたリスクを反映したものであると承知している」と説明。「リスクが極めて小さいごく一般的な引き受けでの『手数料』との比較は関連性を欠く」と述べた。
マハティール氏はゴールドマンに対し政権として法的措置を講じる可能性も示した。
原題:Mahathir Seeks to Recover $4.5 Billion 1MDB Funds, Goldman Fees(抜粋)