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米地区連銀報告、経済活動「わずかに上向いた」-見通しは成長鈍化

更新日時
  • 雇用はわずかに増加、企業は労働者を確保するのが引き続き困難
  • 物価は緩慢なペースで上昇、今後数カ月は横ばいあるいは低下と予想
Pedestrians cross a street past traffic in the Midtown neighborhood of New York, US, on Saturday, June 17, 2023.
Pedestrians cross a street past traffic in the Midtown neighborhood of New York, US, on Saturday, June 17, 2023. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)が12日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、5月下旬以降に米経済が全般的に上向いたと指摘したが、大半の連銀地区が景気拡大のペース鈍化を予想していることを明らかにした。

  ベージュブックでは「全体の経済活動は5月下旬以降、わずかに上向いた」と分析。「今後数カ月の経済見通しは引き続き成長鈍化を全般に見込んでいる」と記された。

  雇用については、わずかに増加したと指摘。大半の地区が雇用増を報告した一方、企業は労働者を確保するのが引き続き困難だったという。

  インフレについては、緩慢なペースで上昇したが、幾つかの地区では減速したと指摘。今後数カ月の物価は全般に横ばいあるいは低下と予想された。

  朝方発表された6月の米消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比3%と予想を下回り、物価圧力の押し下げに取り組んできた米金融当局にとっては朗報となった。

米インフレ率3%は非常事態の終わりを示唆、金融政策の転換点

  一部の連銀地区では企業が価格引き上げに消極的だったという。その理由として、消費者が「価格に一段と敏感になっている」と指摘した。一方、企業が利益率を維持するだけの強い需要があったとの報告もあった。仕入れコストの圧力は「サービス企業で高止まりしたが、製造業セクターでは顕著に緩和した」という。

  今回のベージュブックは、12地区連銀が6月30日までに集めた情報を基に、ミネアポリス連銀がまとめた。

原題:Fed Survey Shows Uptick in US Economy But Warns of Slowing (1)(抜粋)

 

(第3段落以降を追加し、更新します)
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