カード利用控える米消費者、家賃負担増し支出に下押し圧力-BofA
Katherine Doherty-
7月のクレジットカード利用額は6月から鈍化、インフレ率も下回る
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家賃が歴史的水準で高止まり、ガソリン安や小売りのセールは支えに
米バンク・オブ・アメリカ(BofA)によると、家賃や生活費の負担が増す中で米消費者によるクレジットカード利用が減速している。
BofAのシンクタンク、バンク・オブ・アメリカ・インスティチュートは9日付リポートで、米1世帯当たりのクレジットカードとデビットカードの利用額が7月に前年同月比5.3%増となり、6月の5.7%増から鈍化したと指摘した。米物価上昇率と比べても伸びは弱く、デービッド・ティンズリー氏らエコノミストはリポートで、実質支出には「引き続き下押し圧力がかかっている」と分析した。
食品やエネルギー、住居費を中心に米消費者は約40年ぶりのインフレに直面し、自由に使える予算は減っている。BofAインスティチュートによると、7月はとりわけ年収5万1000~15万ドル(690万~2025万円)の世帯やZ世代で、家賃の支払いが歴史的高水準で高止まりしたという。
一方で、エコノミストらは、7月は米アマゾン・ドット・コムのプライム会員向けセール「プライムデー」などが支出増加に寄与したとも指摘。エコノミストの一人であるアナ・ジョウ氏は「賃貸住宅に住む、米世帯の34%は財布のひもをきつくしたが、7月はガソリン価格や小売りのセールが消費者支出の追い風になった」と指摘した。
リポートによると、所得が低めの世帯では、カード支出全体に占めるガソリンの割合が平均で7月は9.3%と、6月に付けたピークの10%から低下した。ガソリン価格の下落を反映し、10日発表予定の7月の米消費者物価指数(CPI)はエコノミスト予想の中央値が前月比0.2%上昇と、2021年1月以来最も小さい伸びになる見通しだ。
原題:
BofA Sees Slower Card Spending as Rent Increases Dent Wallets(抜粋)