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アマゾン、日本含め世界中で抗議やスト直面-ブラックフライデー

更新日時
  • 労働者は賃上げと条件改善を求めてストライキを計画
  • フランスとドイツでは18の主要倉庫でストを予定
Workers at Amazon's West Coast Air Freight Fulfillment Center in California protest in October.
Workers at Amazon's West Coast Air Freight Fulfillment Center in California protest in October. Photographer: FREDERIC J. BROWN/AFP

米アマゾン・ドット・コムの倉庫で働く従業員らは25日のブラックフライデーに合わせ、世界約40カ国で抗議行動やデモ行進に参加する予定だ。ブラックフライデーは例年、ネット通販が1年で最も活況を呈する日。

  物価が世界的に上昇する中、米国や英国、インド、日本、オーストラリア、南アフリカ共和国、欧州各地のアマゾン従業員は「Make Amazon Pay(アマゾン、働き損)」を合言葉に、賃上げと労働条件の改善を要求している。アマゾン従業員の抗議行動は労働組合の国際団体が支援しており、環境保護団体や市民社会団体も後押ししている。

  こうした団体の一つであるサービス産業の労組組織、ユニ・グローバル・ユニオンのクリスティ・ホフマン氏は「ハイテクの巨人である同社が劣悪で安全ではない慣行を今すぐに止め、法律を尊重し、より良い仕事を望む労働者と交渉すべき時が訪れている」と述べた。

  一方、アマゾンの広報担当者は「どの分野でもわれわれは完璧ではないが、こうした重要な問題でのアマゾンの取り組みを客観的に見れば、当社が自分たちの役割と影響を非常に真剣に受け止めていることが分かるだろう」と語った。

  米国内では10都市を超える場所で抗議行動やデモ行進が計画されており、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏がコンドミニアムを持つニューヨーク市5番街の建物の外でも行われる。インドでも複数の場所でデモ行進が予定されているほか、日本では最近設立された労組のメンバーらが東京都内にある日本法人の本社前で抗議活動を行う。

   今回の抗議活動の陣頭指揮を執るのはフランス労働総同盟(CGT)とドイツ統一サービス産業労組(Ver.di)で、主要な欧州市場での発送の混乱を狙い、18の主要倉庫で組織的なストを予定している。

  Ver.diの独アマゾン委員会幹部のモニカ・ディ・シルベストレ氏は、労働者が特に懸念しているのは生産性をコンピューターで監視し、アルゴリズムで作業量の目標が設定されるという手法だと説明。「このアルゴリズムで労働者は大きなプレッシャーを受けている。高齢者や体が不自由な労働者かどうかも区別しない」と指摘した。

  英国では全国都市一般労組(GMB)に加盟する労働者がコベントリーを含む複数の倉庫で抗議活動を計画している。GMB幹部のアマンダ・ギアリング氏は「コベントリーのアマゾン従業員は働き過ぎで不当に低賃金で、限界に達している」と発言。時給10.5ポンドから15ポンドに賃上げを要求するため「数百人」が集合すると述べた。

  職場放棄した労働者はアマゾンが先月発表した英倉庫従業員向けボーナス500ポンドの半分を逸する恐れがある。最終的な支給は11月22日から12月24日までに「無断欠勤がないこと」が条件だが、GMBはストを決行しないよう誘導する違法な条件と解釈され得ると指摘している。

原題:Amazon Faces Black Friday Protests, Strikes in 40 Countries (1)(抜粋)

(フランスやドイツのストの情報などを追加して更新します)
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