コンテンツにスキップする
Subscriber Only

個人投資家のオプション取引活発化-プロにとって警告サイン

  • 個人投資家はここ数週間にコールオプションに殺到
  • 個人投資家のオプション取引急増後、株価は下落する傾向-調査

個人投資家が再びオプション市場で活発に取引しているが、これは米国株にとって不吉な兆候だ。

  ベッド・バス・アンド・ビヨンドやAMCエンターテインメント・ホールディングスなど「ミーム銘柄」を大幅に押し上げたデイトレーダーは、ここ数週間、個別銘柄のコールオプション(買う権利)に殺到している。

  プロのトレーダーにとって、個人投資家によるコール買い増加は、6月下旬以降の株高基調が続かない可能性があるという新たな警告のサインだ。センティメントレーダーの最新調査によると、2006年以降の限定的な株高局面で、小口のオプショントレーダーによる投機の急増が6回起きたが、1回を除く全てのケースでその後3-6カ月に株価は下落した。

relates to 個人投資家のオプション取引活発化-プロにとって警告サイン
小口のオプショントレーダーによる投機の急増が起きた時期(赤い点)
Source: SentimenTrader

  こうしたリスクは9日に現実になった。半導体メーカーが年内に利益と売上高が減速すると警告したことを受け、ナスダック100指数は1.2%下落。ベッド・バス・アンド・ビヨンドなどのミーム銘柄も下げに巻き込まれた。過去8営業日に2倍余り上昇していたベッド・バス株は14%値下がりした。

  スカイランズ・キャピタルのシニアトレーダー、トム・ハーデン氏は「質の低い企業に極めて大きな動きが見られるが、これは典型的な警告サインだ」と指摘した。

  ヘッジファンドは株価上昇が続く可能性に既に懐疑的で、さらなる下落に備えるためにプットオプション(売る権利)を積み増している。予想外に強かった最新の米雇用統計は、米連邦準備制度が近いうちに利上げから方向転換する公算が小さいことを示した。

  JHインベストメント・マネジメントの共同最高投資ストラテジスト、エミリー・ローランド氏はリポートで「S&P500種株価指数のピークからの下落率が12%程度にすぎず株価収益率(PER)は予想収益ベースで18倍という状況から見て、株式市場は恐らくリセッション(景気後退)リスクを過小評価している」と指摘した。

原題:

Retail Traders Push Meme Strategies Into Options, Worrying Pros(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE