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筋トレにお酒はNG? アルコールがフィットネスに与える6つの影響

筋肉がつきにくくなったり、代謝が悪くなったりするなど、飲酒がフィットネスに与える影響を栄養士が解説。エクササイズの効果を最大限に引き出すためにも、心に留めておきたい6つのポイントをチェックしよう。

禁酒・節酒で筋トレ効果を最大化

Photo: Alexandr Dubynin/Getty Images

欧米で人気のドライ・ジャニュアリー(Dry January:1月禁酒)を実践している人は、この習慣を継続させるためのモチベーションを探していることだろう。お酒を控えるのは明らかに健康に良く、ワークアウトの効果を最大限発揮させることにつながる。お酒を断つ、もしくは減らせば、パフォーマンスが向上し、毎日のエクササイズももっと楽しくなるはずだ。

アルコールが私たちの運動に与える6つの影響を、アメリカ拠点の健康・栄養ブランドKitchenisticの栄養士であるキャロライン・ウィルソンが教えてくれた。

1. 脱水症状

肌の乾燥が気になったら、それは飲酒による脱水症状が原因かも。「アルコールは利尿作用があり、体内の水分を排出してしまいます。また、二日酔いの症状の90%が脱水によるものです」とウィルソン。ご存知の通り、水は私たちの健康に保つために欠かせないもの。体温を調節する働きもあるため、運動も困難になるのだ。「アルコールが体内にあると心拍数が通常より速くなり、体温が大幅に上昇します。そのため、運動が不快と感じるようになることも。また、普段より汗をかくので、さらに脱水症状が進んでしまいます」。飲酒時は必ず水を飲むようにすれば、脱水を止めることはできなくても、症状を緩和させることができる。

2. 筋肉疲労

アルコールは乳酸を蓄積してしまうことから、お酒を飲んだ次の日に筋トレなどをすると、痛みを感じる可能性が高くなることも。ウィルソンはさらにこう付け加える。「筋肉疲労や、筋肉の形成と修復に不可欠な成長ホルモンの不足も避けられません。日常的に飲酒していると運動後の回復時間が長くなり、筋肉をつけるのが非常に難しくなります」

3. パフォーマンス

ちょっとの飲酒は翌日の運動にさほど影響がないとしても、運動中のパフォーマンスが変わることがわかっている。ある研究では、飲酒後の有酸素運動のパフォーマンスが11.4%も低下することが示されており、さらには運動後の満足感が得られなくなることもあるという。

4. 血糖値スパイク

お酒やお酒のお供に含まれる糖質によって急激に血糖値が上昇すると、上昇した血糖値を下げようと大量のインスリンが分泌される。すると今度は、この大量のインスリンによって血糖値が下がり過ぎてしまう現象が起こる。血糖値スパイク(グルコーススパイクとも)は、この血糖値が急激に上昇・下降する状態のことを示すもので、これによって水分の滞留によるむくみ、疲労などを引き起こし、いずれもワークアウトに支障をきたしてしまうのだ。飲んだ翌日に体を動かす予定がある場合は、ワイン、シロップの入ったカクテルなど、糖質の高いドリンクを避けるのがベスト。

5. 代謝の低下

アルコールが消化器系に与える負担のせいで、胃や腸の働きは低下する。「消化器系の機能が弱ると、体に必要な栄養素の吸収率も下がり、代謝が悪くなります」とウィルソン。代謝への影響を抑えるためには、飲酒前にナッツや濃い緑の野菜など、栄養素の高い食べ物を積極的に食すことが推奨される。

6. 食欲の増加

お酒を飲んだ翌日は、脂っこいものが無性に食べたくなることも。アルコールはガラニンと呼ばれる神経ペプチドを分泌させるが、これが脂肪分を多く含む食べ物を欲するようになる原因だという。二日酔いのだるさと栄養のない食事の掛け合わせにより、運動もままならなくなってしまうため、十分な注意が必要だ。

Text: Hannah Coates Adaptation: Motoko Fujita
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