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米上場で一時ビリオネアになった後、89%株急落-香港の投資銀創業者

  • マジック・エンパイア創業者の資産は米IPO後に一時的に急増
  • 米IPO後に株価が不可解な動きを示す中国・香港企業の新たな例に

ほとんど名前が知られていない香港の投資銀行の創業者2人は、ここ数日間の不可解な株価急騰を受けて一時的にビリオネアになった。しかし、その後株価が急落し、2人の資産は急速に目減りした。

  マジック・エンパイア・グローバルは引き受け・助言サービスを提供しているが、2年間で新規株式公開(IPO)を支援したのは1社のみだ。そんな同行が5日に米国で上場した後、株価は一時6149%上昇し、時価総額は50億ドル(約6750億円)に達した。

  ブルームバーグ集計のデータによると、これを受け、共同創業者で会長のギルバート・チャン氏と最高経営責任者(CEO)のジョンソン・チェン氏の持ち株の価値はそれぞれ18億ドル、13億ドル相当となった。2人合わせて同行の株式約63%を保有している。

  しかし、9日の米株式市場でマジック・エンパイアは前日比89%安の12.32ドルで取引を終了。現在の持ち株の価値はチャン会長が約9000万ドル、チェンCEOは6500万ドルとなっている。

Shares mysteriously soared on debut before quickly sliding
 
 

  マジック・エンパイアは、米IPO後に株価が不可解な動きを示す一連の中国・香港企業の新たな例となった。同行の昨年末までの従業員数はわずか9人で、2021年の収入は17%減の220万ドル。

Back to Earth

Gains in China and Hong Kong-based US listings have fizzled out quickly

Source: Bloomberg

  マジック・エンパイアの担当者は、株価や創業者の資産についてコメントを控えた。

  香港を拠点とするフィンテック企業、尚乗数科(AMTDデジタル)は先週、21年4月期の収入がわずか2500万ドルだったにもかかわらず、時価総額が一時ゴールドマン・サックス・グループおよび世界のほぼ全ての金融会社を上回った。オスティン・テクノロジー・グループゴールデン・サン・エデュケーション・グループインテリジェント・リビング・アプリケーション・グループも、取引初日に日中ベースで395%以上値上がりした。

香港の小規模フィンテック企業、時価総額がゴールドマン上回る 

原題:

Bankers Turned Billionaires for an Instant, Then Came 89% Crash(抜粋)

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