TCI、昨年のヘッジF利益ランキングで首位-上位20社合計で最高益
Nishant Kumar-
2位はグリフィン氏のシタデル、3位はクオンツ戦略のDEショー
-
業界全体の昨年の正味利益1760億ドル、トップ20社合計は654億ドル
資産家クリス・ホーン氏のヘッジファンド運営会社TCIファンド・マネジメントは、LCHインベストメンツがまとめた昨年のヘッジファンド利益の世界ランキングで首位となった。TCIの昨年の利益は手数料を差し引いたベースで95億ドル(約1兆900億円)だった。
ファンド・オブ・ヘッジファンズであるLCHインベストメンツの推計によると、ヘッジファンド運営トップ20社の昨年の正味利益は計654億ドルと過去最高を更新した。2位はケン・グリフィン氏のシタデル、3位はクオンツ戦略のDEショー。
20社の合計リターンは10.5%と、業界平均(約5%)を上回った。S&P500種株価指数の配当を含めたリターンは28.7%。
LCHのリック・ソファー会長は「ヘッジファンドのこの10年間の成績は最善ではなかったものの、この市場の環境は今後必ず変化し、その時にはヘッジファンドはより有益になるだろう」と分析。
「株式相場が急伸してきた一方で債券相場は不安定だ。このため従来型の株式・債券投資家が今後、損失を被るリスクは高い上に増大している」と指摘した。
上位20社の運用資産は世界のヘッジファンド資産の約19%を占め、スタート時から創出された1兆6000億ドルの利益の約42.2%を生み出した。
2021年利益トップのヘッジファンド
運用会社 | 設立以来の正味利益 | 2021年の利益 | 設立年 |
---|---|---|---|
TCI | 36.5 | 9.5 | 2004年 |
シタデル | 50 | 8.2 | 1990年 |
DEショー | 43.7 | 6.4 | 1989年 |
ミレニアム | 42.4 | 6.4 | 1989年 |
エリオット・マネジメント | 39.3 | 6.0 | 1977年 |
ブリッジウォーター | 52.2 | 5.7 | 1975年 |
バウポスト | 34.7 | 3.4 | 1983年 |
ファラロン | 32.6 | 3.3 | 1987年 |
サード・ポイント | 18.8 | 3.3 | 1995年 |
エガートン | 25.7 | 3.1 | 1995年 |
デービッドソン・ケンプナー | 19.6 | 2.4 | 1983年 |
アパルーサ | 30.7 | 2.1 | 1993年 |
オクジフ/スカルプター | 31.7 | 1.9 | 1994年 |
キングストリート | 19.4 | 1.8 | 1995年 |
SAC/ポイント72 | 27.7 | 1.7 | 1992年 |
バイキング | 38 | 1.3 | 1999年 |
ブレバン・ハワード | 22.9 | 0.4 | 2003年 |
ローン・パイン | 42.2 | 0.0 | 1996年 |
タイガー・グローバル | 25 | -1.5 | 2001年 |
ソロス* | 43.9 | NA | 1973年 |
トップ20 | 677 | 65.4 | |
全社 | 1,604 | 176.0 |
備考:単位は10億ドル。 *2017年12月31日まで(出典:LCHインベストメンツ)
原題:
TCI Leads Top Hedge Funds Creating Record $65.4 Billion in Gains(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE