FASHION / TREND & STORY

IZUMO──固定概念に対する「怒り」を作品に昇華させて【日本の気鋭デザイナー Encyclopedia Vol.24】

注目の若手デザイナーたちへ、今季のテーマやマイブームなど、5つの質問。今回はイズモ(IZUMO)を手がける出雲優子にASK!

Q1. ブランドの1番の特徴や個性を教えてください。

幼少の頃の無邪気さを忘れず、自由に発信する場所として自分のブランドを作りました。自分の個性を追求する場所でもあり、幼少期の思い出を振り返ったり、今自分が感じている感情をドローイングしてみたりするところから始めています。

泥やセメント、幼少の時に遊んでいたおもちゃを取り入れてみたりと、独自のテクスチャーを生み出すことにこだわっています。

Q2. 今季のテーマやこだわりは?

覆いかぶさる固定概念への「怒り」をテーマにしています。2022AWとして初めて発表したコレクションで、ジャケットドレスを制作しました。

大人になると気付かぬうちに思い込んだルールに囚われて窮屈になっています。そこで、無邪気で自由だった幼少の頃の目線で考えるようにしました。突き詰めていくと、絵を描くときに「絵の具を使う」ことすら誰かが決めたルールだと思って。落ちていた泥と棒を使ってベシャっと絵を描いてみたんです。すると怒りが爆発したようなテクスチャーが出来上がって、それが今季のメインである”怒りのジャケット”の素材となりました。

シルエットは感覚をダイレクトに形にできるよう、即興的なコラージュ感覚で作り上げています。インスタレーション展示では今回のコレクションのイメージからマグマが湧くような岩場を作り、モデルさんに並んでもらいました。

スタイリングでは、ゴツゴツした強そうなドレスやジャケットとは対極に、ポップで玩具箱のようなハンドバックを合わせて感覚のズレを演出しています。

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Q3. 今の日本・東京のファッションシーンをどう捉えてますか?

いろんなカルチャーが入り混じって、楽しみ甲斐があります。おしゃれのルールに囚われすぎず、感覚的で自分が滲み出てるスタイルの人ってかっこいいなと思います。そういう人とたくさんすれ違える東京であってほしいです。

Q4. 今、1番のマイブームは?

F1レース観戦。感覚の揺れ幅を楽しむことが好きで、自分とまったく違う分野のプロフェッショナルを見ることが刺激になります。試合では大人たちが本気で1秒を争っている姿がかっこいいです。感情むき出しで我武者羅な大人って日常では見ることがないですが、本気でやるってそういうことだよなと鼓舞されます。

日々物づくりをしていると、自分だけの世界にのめり込んでしまいがちですが、世界は広い! と思わせてくれます。

Q5. 今後の目標や野望を教えてください。

世の中に流されず、個を持ち続けることです。そしてそれをファッションで発信し続けたいです。

Profile
イズモ
アートディレクターの出雲優子が設立。アーティで独創的なアプローチを得意とし、ヴィジュアル製作にもこだわりを見せる。2022年秋冬は玩具のプリントを貼り付けたTOY BAGが話題に。
https://izumoy.com/

Editors: Maki Hashida, Kyoko Osawa