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FRBとどれだけ闘っても市場には逆らうな、米株は強気相場入り視野

  • S&P500種は昨年10月の安値から16%上昇、20%高まであと一歩
  • FRBの利上げ継続姿勢を「誰も気にせず」、株式市場の動きが示唆

ウォール街で今、大きな利益を上げているトレードは、政策金利の引き上げを続けて高水準に維持する米金融当局の決意を無視したものだ。上昇相場に伴うリスクに逆行しようしている。

  「連邦準備制度理事会(FRB)に逆らうこと」は実際のところ、何カ月にもわたり株式市場の勝ち組戦略となっている。S&P500種株価指数は昨年10-12月(第4四半期)初め以来15%上昇し、10月の安値からは16%値上がり。多くの投資家が強気相場の始まりと定義する20%高まであと一歩のところまで来ている。

  一方、米金融当局はこの間に3回の利上げを実施し、さらなる利上げを想定しているとし、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を当面の間は高水準で維持すると主張し続けている。だが、株式市場はこれまでのところ、「そんなことは誰も気にしない」といった反応だ。

  市場では、こうした利上げは株式相場に織り込み済みで、FRBはインフレを抑制しながら経済成長を持続させるソフトランディング(軟着陸)を実現できるとの見立てがあるようだ。そのため、利上げを警戒するトレーダーやインフレを懸念するトレーダーは、市場の勢いに真っ向からぶつかるという難しい立場に立たされている。

  半導体株など売り込まれたテクノロジー株を含めて米国株を買い持ちしている50パーク・インベストメンツの創業者、アダム・サーハン氏は「投資家はウォール街の基調的トレンドに沿った行動を取れば報われる。決して相場の動向には逆らわず、損失を小さく抑えることだ」と語った。

Upswing | S&P 500 breaks above downtrend to climb 16% from October low
 
 

 

  もちろん、強気な投資家が直面しているリスクは高インフレが続く可能性だ。それは3日に発表された強烈な雇用統計で鮮明になった。健全な労働市場が賃金上昇を持続させれば、物価は下がらないかもしれない。そうなれば、米金融当局は過去数十年で最も積極的な引き締めサイクルを停止することが阻まれる。

強気なセクター

  株式相場の先行きを楽観する投資家にとって1つの安心要素は、相場のリーダーの変化だ。投資調査会社CFRAによると、一般消費財や情報技術(IT)など今年の相場反発を主導するセクターは、歴史的に強気相場の初期にアウトパフォームしてきた。素材株も同様で、昨年9月下旬からアウトパフォームしている。

  また、歴史的に見て、リセッション(景気後退)の有無は株式相場に極めて重要になる。第二次世界大戦以降、景気後退を伴う弱気相場は9回あった。CFRAのデータによれば、S&P500種株価指数の平均下落率は、景気後退を伴わない場合は28%だったのに対し、景気後退を伴うと35%だった。

  特に興味深いのは、1948年以降、景気後退を伴わない弱気相場は3回しかなかったことだ。そして毎回、株価が底打ちしてから5カ月以内に新たな強気相場が始まっていた。

relates to FRBとどれだけ闘っても市場には逆らうな、米株は強気相場入り視野
 
Source: CFRA

 

 

 

原題:Investors Can Fight the Fed All They Want. Don’t Fight the Tape(抜粋)

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