FASHION / TREND & STORY

小松菜奈がナビゲートする、セネガル・ダカールの旅。シャネルのショーの魅力も公開!

アフリカ大陸最西端に位置するセネガル共和国の首都、ダカール。活気とクリエイティビティに満ちた芸術都市は、世界中の熱い視線を浴びている。エネルギーあふれる街を俳優の小松菜奈が散策。彼女の心に響いたエリアや、この地で開催されたシャネル(CHANEL)のショーの魅力を公開!

1978年に世界遺産に登録され、その歴史が語り継がれている島には歴史博物館やモスクがあり、色鮮やかな建物が特徴的。

ショーを観終えた小松菜奈の第一声は、あふれる感情を落ち着かせながら、まっすぐでクリアだった。「ダカールを訪れ、このショーを自分の目で見ることができて、本当によかった。文化、芸術、音楽、文学を五感で感じ、そのエネルギーがショーに凝縮されていて。シャネルCHANEL)の無限の創造力を目の当たりにしました。絶えず変化することで、シャネルはその魅力を増していくんだなって」

昨年12月6日、セネガルの首都、ダカールで2022–23年メティエダール コレクションを発表したシャネル。メゾンとセネガルの継続的な交流の出発点であり、3日間にわたる文化プログラムの一環として行われた。

会場の旧司法宮を彩ったのは、鮮烈な色、ビーズやスパンコール刺繍、ツイード、植物モチーフ。セネガルの豊かな文化とメゾンの傘下にある専門アトリエのサヴォアフェールを遺憾なく発揮したこのショーを実現するために、ヴィルジニー・ヴィアールは何度もダカールを訪れ、現地の人々と対話を重ねたという。

悲しみを乗り越えた、世界遺産のゴレ島

ダカールの沖合に浮かぶゴレ島は15世紀から19世紀まで奴隷貿易の拠点となっていた島。

「ヴィルジニーのクリエイションは、その地に敬意を持ち、学び、人とつながり、魂を服に吹き込んでいる。そういうところが好きなんです」。また、「負の遺産」として世界遺産に登録されているゴレ島にも足を運んだ小松。

ゴレ島の港。

「ここでの歴史を知り心が痛くなりましたが、実際に歩いて、見て、聞くことが、一番の真実。忘れてはならない過去だし、感じたことをほかの人に伝えていきたいです」と、写真や文字だけでは得難い、真の情報の受け取り方を再確認したという。「また会いたい」。そう彼女が話す現地の人々の寛容な精神、日常に見出す喜びや、真の対話から生まれる予測不可能な感動。さまざまな出合いから、かけがえのない「体験」を実感した旅となったようだ。

フレンドリーな野良猫も多い。

名物のサンドアートの制作模様。

ストリートアートが息づく、メディナ地区

モッドボイの壁画ワーク前。

アフリカでよく見られる頭の上に荷物をのせた女性たちとすれ違って。

ストリートアートにあふれたダカール南部、メディナ地区。

メディナ地区の下町、ダメル通り。人と動物がともに共存している。

セレクトショップ前のタイルが、フレッシュな小松のスタイルとマッチして。

ダカール・ビエンナーレ時に作成されたモッドボイ率いるアート集団ヤタール・アートの壁画の前で。横では街の洗濯に従事する女性たちが作業をしている。

気鋭のアートが勢揃い。セレベ・ユーン・ギャラリー

セレベ・ユーンというギャラリーの名前は、セネガルの部族であるウォロフの言葉で、十字路を意味する。1953年に建てられた広大な建物には、ローカルのみならず、国際色豊かなアート作品が展示されている。出窓のディテールもアーティスティック。

ムバイエ・ディオップによる絵画「レスカぺ(サバイバー)」。 Artworks: Courtesy of Selebe Yoon Gallery - Mbaye Diop “Rescapée -Survivor” 2022 Natural pigments on canvas 500 x 300 ㎝

アーティスト、ムバイエ・ディオップの作品「バル・ド・マッチ」。 Artworks: Courtesy of Selebe Yoon Gallery - Install view of Mbaye Diop’s solo exhibition “Balle de Match” 

職人工房と隣接するアーティザナル・マーケット

職人の工房とマーケットが混在するエリア、ソンボディオン。工房からの直売で職人と話せるのもうれしい。所狭しと並ぶ民芸品とともに。色鮮やかなバッグもセネガルの伝統的アイテムの一つ。

構築的なヘッドピースが人気。

ダカールの旧司法宮のショー

合計62名のモデルが闊歩したフィナーレ。現地出身のモデルも多数登場した。 Photo: REX / AFLO

圧巻のショーの最後に登場したヴィルジニー・ヴィアールにゲストの拍手喝采が送られた。 Photo: Courtesy of Chanel

アーティストのオブリー・ダマンと、アフリカのダンス専門学校のエコール デ サーブルのダンサーたちによるパフォーマンス。 Photo: Courtesy of Chanel

ショーにはファレル・ウィリアムスをはじめとする豪華ゲストたちが集結。 Photo: Courtesy of Chanel

BOBY

文学史家のファニー・アラマとシャーロット・カシラギによる文学についてのトークショーも開催された。Photo: Courtesy of Chanel

Photos: Djibril Drame Text: Maki Saijo