ドイツのグリーン債起債、インフレ懸念と重なり欧州の既発債を圧迫
John Ainger-
30年物独グリーンボンド、389億ユーロを超える記録的な需要
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ドイツ通常国債、30年債利回りが上昇-2019年以来の高水準
ドイツは同国のグリーンボンド(環境債)としては最長年限の30年債を初めて起債した。強い需要があったが、インフレ懸念に需給悪化が加わって欧州の既発債は下落した。
ドイツのグリーンボンドには60億ユーロ(約7930億円)の募集に対し、389億ユーロを超える記録的な需要があった。この日は欧州市場で他の起債も多く、通常の独30年債の利回りは2019年以来の高水準となった。景気回復でインフレが加速するとの思惑から、イタリア10年債利回りは昨年9月以来の1%に近づいた。
ドイツの10年物ブレークイーブンレートは2014年以来の水準に上昇し、インフレ期待の高まりを示唆。欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は、ドイツのインフレ率が一時的に3%を超える可能性があるとの見方を示している。
ECBのシュナーベル理事、ドイツのインフレ率が一時的に3%突破も
事情に詳しい関係者によると、ドイツのグリーンボンド発行利回りは同年限の名目債を2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回った。環境に配慮した債券の方が借り入れコストが低くなる「グリーニアム(グリーン債のプレミアム)」と呼ばれる現象だ。30年物の起債はグリーン債のイールドカーブ完成に寄与する。ドイツは昨年11月には5年債、同9月には10年債を起債している。
原題:
Green Bonds and Inflation Combine to Send Europe’s Debt Tumbling(抜粋)
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