ヘッジファンドの米国債レバレッジ取引、国際金融のリスクに-英中銀
Greg Ritchie
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米国債先物のシュートポジションが最近数カ月で増加する状況に言及
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「ポジションのデレバレッジでストレスがさらに増幅しかねない」
イングランド銀行(英中央銀行)は12日公表した金融安定報告で、ヘッジファンドの間で人気が再び高まる米国債先物のレバレッジ取引について、国際金融の安定を脅かすリスクになると警告した。
米国債の現物と先物とのわずかな価格差を利用し、利益を得ることを目指す「ベーシス取引」と呼ばれる戦略は、米証券取引委員会(SEC)と連邦準備制度の当局者からも監視の目が向けられている。これらの取引に関係するリスクに規制・監督当局がほとんど取り組んでいないと英中銀は指摘した。
レポ市場で資金を借り入れリターンを高めるこの種の取引は、特にリスクを伴う。ボラティリティーの低い環境ではうまく機能することが多いが、市場の動きが速ければ裏目に出る恐れがあり、金融市場の円滑な機能を妨げることさえ懸念される。
2020年初めに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生した際には、ファンドがベーシス取引の解消を急ぎ、米国債市場や他の金融市場で流動性が枯渇した。
英中銀は「特に高金利への急激な移行と今の高いボラティリティーによって、市場ベースのファイナンスの脆弱(ぜいじゃく)性が顕在化し、金融安定のリスクになる可能性が高まっている」と分析。レバレッジ投資家による米国債先物のシュートポジションが最近数カ月で増加する状況に言及し、「相場が急変動する場合には、ポジションのデレバレッジでストレスがさらに増幅しかねない」と警戒感を示した。
原題:Hedge Fund Treasury Trade That Blew Up Attracts BOE Concern(抜粋)
(この記事は一部に自動翻訳を利用しています)
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