バイデン氏と下院議長、債務法案の通過に自信-議員への説得作業進む
Gregory Korte、Akayla Gardner、Erik Wasson-
「統治の責任だ。法案通過を上下両院に強く求める」-バイデン氏
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マッカーシー下院議長、共和党の過半数が法案に賛成すると予想
バイデン米大統領とマッカーシー下院議長は、連邦政府の法定債務上限に関する原則合意を盛り込んだ法案が議会を通過することで、米国史上初のデフォルト(債務不履行)が回避されると確信していると表明した。
バイデン政権の閣僚やホワイトハウスの上級スタッフは既に29日早朝までに、民主党の下院議員少なくとも60人に電話などで個別に接触し、法案に賛成票を投じるよう求めた。民主党関係者が明らかにした。
バイデン大統領は28日、共和党のマッカーシー議長との合意を取りまとめた後、「この合意は想定し得る最悪の危機を防ぐ」とホワイトハウスで記者団に発言。民主・共和両党が譲歩して得られた合意だとし、「望むもの全てを得ることは誰一人できなかった」が、「それが統治の責任というものだ。この法案を通過させるよう上下両院に強く求める」と述べた。
バイデン大統領とマッカーシー議長は27日夜、1時間半にわたる電話会談で原則合意に達した。政府が約1週間後に借り入れ能力を失う前に、両党の強硬派の反対を押し切って議会で合意を成立させる道を開いた。
バイデン大統領はマッカーシー議長と28日午後に再び会談した後、デフォルト回避に向け最終合意に達したと言明。ホワイトハウスで記者団に対し「朗報がある。マッカーシー議長とちょうど話をしたところだ。われわれには予算を巡り超党派の合意がある」と発言した。
ホワイトハウスと共和党、債務上限問題で原則合意-デフォルト回避
フロリダ州のデサンティス知事は29日、FOXニュースの番組で合意を批判。「われわれの国は破綻に向けて、なお突っ走ることになる」とし、「巨額の歳出」を許す譲歩だと一蹴した。同氏は先週、2024年米大統領選の共和党候補指名争いに出馬表明した。
ただ、マッカーシー議長は前日28日の記者会見で、共和党の過半数が法案に賛成すると予想し、「皆が望むことを全て行うものでは恐らくない」が連邦政府の支出抑制に「転機をもたらす」動きだと合意を擁護した。
バイデン大統領は今回の合意を頓挫させるような障害は予見されないと指摘。この合意が署名に向け自分の手元に届くと確信しているかとの質問に対し「イエス」と答えた。
共和党のマコネル上院院内総務も、法案に賛成するよう上院共和党議員に呼び掛けた。
民主党の有力議員で中道派のホイヤー下院議員は、同党の政策に「後退」となる内容が含まれていると言及したものの合意への支持を早々に表明した。28日の声明で「だからこそ、私と共にこの妥協案を支持し、不要な経済混乱に終止符を打つよう同僚に強く求める」とコメントした。
マッカーシー議長は28日、FOXニュースの番組で、「皆が全てにおいて満足しているわけではないだろうが、正しい方向への一歩だ」と発言。民主党議員の一部に加え、「共和党議員の過半数がこの法案に賛成票を投じると思う」と述べた。
バイデン大統領は、確実になるまで合意内容を公にすることをほぼ控えてきた。ただ合意成立を受け、米政権当局者は28日夜に匿名で記者団に対し、気候変動と社会保障分野で大統領の優先事項が守られたことに言及した。
今回の合意で最も大きな影響を受けたものの一つは内国歳入庁(IRS)の予算で、増員とシステム刷新を目的に昨年確保した10年間の予算増800億ドルのうち200億ドルが削られる。ただ政権当局者によると、これによってバイデン氏が掲げる他の国内優先事項の一部を守ることができた。
「補助的栄養支援プログラム(SNAP)」として知られる低所得者向け公的食料費補助は、就労義務の適用年齢の範囲を現在の18-49歳から54歳までに拡大する。ただ退役軍人やホームレス、里親家族の適用除外を確保したため、受給者数はほぼ変わらない見通しだと政権当局者は説明した。
バイデン政権は多くのプロジェクトの環境審査を加速させ1-2年程度とする改革に同意した。これは、風力・太陽光発電の普及に役立つという。
原題:Biden, McCarthy Confident as Fight to Pass Debt Deal Revs Up、Biden Says Debt Ceiling Deal Reached to Avert US Default (1)、Biden, McCarthy Voice Confidence Debt Deal Will Pass in Time、Biden, McCarthy Signal Confidence Debt-Limit Deal Will Pass (1)、McCarthy Says Debt Deal ‘Doesn’t Do Everything for Everyone’(抜粋)