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ロンドンのバンカー報酬急減、ディールメーキング低迷がボーナス直撃

  • 最上級のバイスプレジデント、報酬13%減-ダートマスが調査
  • ゴールドマンの英国在勤バンカー、他行よりも大幅に減った

ディールメーキングの低迷は昨年、ロンドンの投資銀行であらゆるレベルのバンカーの報酬を減少させた。

  最上級のバイスプレジデントの報酬は13%減となり、最も若手のアソシエーツ以外は全員、報酬総額が減った。人材紹介・コンサルティング会社ダートマス・パートナーズがバンカー約250人を対象に調査した。

  全体として基本給は上昇が続いたが、案件減少で手数料が減った分、ボーナスは減額された。企業の合併・買収(M&A)枯渇は今年も続き、幾つかの国での人員削減につながっている。

Pay Cuts at Almost Every Level of Banking

Declines in bonuses drove a fall in overall compensation

Source: Dartmouth Partners

*UBS and Barclays only. **Goldman Sachs and Morgan Stanley only. Banks included: Bank of America, Barclays, Citi, Credit Suisse, Deutsche Bank, Goldman Sachs, JPMorgan, Morgan Stanley, UBS.

  ゴールドマン・サックス・グループの報酬は2021年に投資銀行の中で最も高かったが、22年の英国在勤バンカーの報酬は他行よりも大幅に減った。アソシエーツの総報酬は28%減、バイスプレジデントは25%近い減少だった。

  ゴールドマンの報酬は依然、特に経験豊富なバンカーにとって業界最高の部類に入るが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)とJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーは一部クラスの報酬を増やしている。

  クレディ・スイス・グループの22年報酬は業界最低近くとなり、アソシエーツは18%減、バイスプレジデンツは29%減った。同行は今年、UBSグループに買収された。

Total Pay at London's Investment Banks

Awards fell for many in 2022, survey found

Source: Dartmouth Partners poll of about 250 bankers.

Not all job levels exist at all banks.

  ベインのデータによれば、昨年は世界のM&Aが3分の1余り減った。地政学的緊張やインフレ高止まり、金利急上昇が企業をリスクに対して慎重にした。ブルームバーグがまとめたデータは、今年1-6月(上期)も42%減と、この10年でも特に不振の半期だった。

  ボーナスが減ったバンカーだけでなく、職を失ったバンカーもいる。ゴールドマンとJPモルガン、BofA、モルガン・スタンレー、ブラックロックはいずれも人員削減を実施。UBSはクレディ・スイスの約4万5000人のうち半分以上に辞めてもらう方針とみられる。

  ダートマスのリポート執筆陣は、厳しい環境を背景に大手銀行のバンカーらは「総じて、期待より低い報酬を現在の市場環境に基づいて受け入れている。だがこれは、銀行が期待をうまく抑え予想より低い報酬の理由をきちんと示した場合に限る」との見方を示した。

原題:London Bank Bonuses Plunged Across Board in 2022’s Deal Drought(抜粋)

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