日本株は下落、政権期待変わらずも短期過熱感-電機や情報・通信安い
伊藤小巻
更新日時
東京株式相場は上昇して取引を開始したものの徐々に上げ幅を縮小し下落に転じた。国内の新型コロナ感染者数の減少や次期政権への景気浮揚策への期待が根強い中、米国の製造業指数が大幅に改善したことで景気の減速懸念は和らいでいる。ただ、短期的な株価上昇による過熱感が意識され、電機や情報・通信、サービスなどが売られている。半面、自動車や商社、食料品や保険などの景気敏感株は高い。
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市場関係者の見方
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
- ニューヨーク連銀製造業指数で、景況感改善し好感されている。米国株が持ち直す中で、日本株は短期的な過熱感を冷ましにいくい
- 日経平均は3万円台定着がみえてきており一服感が出やすい局面。次期政権への期待は変わらないので下げる感じでもなく、今週は3万500円絡みの水準から大きく外れることはないだろう
- 世界的に景気敏感株が買い戻される流れの中で、財政支出で恩恵を受ける内需系が意識されている
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジスト
- NY連銀製造業指数の結果は、ボトルネックとなっているサプライチェーン問題は残るものの、特に新規受注と出荷が改善し景況感は堅調
- 国内では新規感染者が減少しており、大幅に行動が制限された第1波のようになる懸念が遠のいている
- 野党の支持率は上がらず自民党総裁選は想定以上に注目を集めているが、これまで株式市場が歓迎してきた政策が激変する可能性は低く、政策面での先行きの不安は後退してきた
東証33業種
下落率上位 | その他製品、証券・商品先物、電機、情報・通信、不動産、サービス、空運 |
上昇率上位 | 石油・石炭、鉱業、ゴム製品、食料品、倉庫・運輸、建設 |
背景
- NY連銀製造業指数、予想以上に拡大-販売価格は過去最高を更新
- 米鉱工業生産、製造業の伸びが市場予想下回る-ハリケーンも影響
- 【米国市況】S&P500反発、8月来の大幅高-原油6週ぶり高値
- ドル・円相場は1ドル=109円台前半で推移、前日の日本株終値時点は109円59銭
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