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Photographer: Daniel Acker/Bloomberg
Cojp

トランプ大統領、世界で日量1000万バレルの原油減産目指す

更新日時
  • サウジ皇太子との協議後にツイートで目標に言及
  • サウジと減産で合意していないとロシアは確認

トランプ米大統領は、原油相場の急落を招いた市場シェア争いに終止符を打ち、世界で日量1000万バレルの原油減産を実現しようと働き掛けている。

  トランプ大統領は2日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談したとした上で、サウジとロシアが原油生産を約1000万バレル削減すると見込んでいるとツイッターに投稿、米原油先物相場はこれに反応して急伸した。

  その後、事情に詳しい関係者が明らかにしたところでは、トランプ大統領は他の産油国もこの減産に寄与することを望んでいるという。ただ別の関係者は、トランプ大統領が掲げた減産目標は単なる希望にすぎず、最終的にはサウジとロシアが合意に達するかどうかにかかっていると指摘した。

  しかし、主要産油国が参加するこれほどの規模の減産の実現は極めて難しい見通しだ。サウジはトランプ大統領の呼び掛けに支持を表明することなく、「公正な合意」を議論するため石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」、さらに他の国々に「緊急会合」を呼び掛けたと説明。他国が減産する場合に限り自国も減産するとの立場を示唆した。

  これにより、世界的な合意の取りまとめのため、トランプ政権が米国の生産に上限を設けるつもりがあるのかどうかも問われることになる。

  一方、ロシアはトランプ大統領のツイートの内容を事実上否定した。トランプ大統領は、自分がサウジ皇太子と話し、その後、同皇太子がロシアのプーチン大統領と協議したと説明したが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチン大統領はサウジ皇太子と話しておらず、サウジとの間で減産合意していないことを確認した。

  一連のやり取りに詳しいOPECプラスの関係者は匿名を条件に、サウジとロシアは減産幅はもちろん、減産を行うかどうかについてもまだ合意しておらず、合意案がまとまるためには他の全ての主要産油国が減産で合意することが必要だろうと述べた。

  トランプ大統領はツイート後のホワイトハウスでの記者会見で、サウジとロシアの合意は間近だと予想していると発言。「合意に至ればロシアにとってもサウジにとっても素晴らしいだろう。合意を私は望むが、両国からもそう聞いている」と語った。また、サウジとロシアに石油減産を促すため米国の減産を提案したことはないとも話した。 

  トランプ大統領は3日に国内の石油生産・製油業界首脳と会談する予定。

原題:Trump’s Disputed Claim of Saudi, Russia Oil Cuts Jolts Markets

、Correct: Trump Says No Concessions Made to Russia, Saudis on Oil(抜粋)

(トランプ大統領の記者会見などを追加して更新します)
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