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日本の超長期債、2020年度に過去最大の買い越しー増発で金利に妙味

日本の超長期債に対する2020年度の買い越し額が過去最大を記録した。新型コロナウイルスの感染拡大対応による財政出動で国債が大量に増発されて金利水準が上昇したことや、円高・ドル安進行で外国債券投資が抑制されたことが背景。

  日本証券業協会が公表した公社債店頭売買高を基にブルームバーグが集計したところによると、国内外の投資家は2020年度に超長期債を約19兆5000億円買い越した。これは統計でさかのぼることができる05年以降で最大の買い越し額となっている。

昨年度は超長期債の買い越しが過去最大に

日本証券業協会、Bloomberg

  ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、日本の超長期債について、「昨年は国債の増発もあり多少金利が上がり、手が出る水準になってきた。これで十分ではないが、投資の目線にある水準になってきたので、資金を多めに振り分けた」と指摘。また、「昨年は為替が大きく振れたこともあり、オープン外債に手が出しにくかった。年度初めの世界的な利回り低下により、内外との比較で超長期債に妙味が出たのも追い風になった」と述べた。

  長期債は約7兆9000億円の買い越しと13年度以来の買越額。5年までの中期債は約8兆8000億円の買い越しと、16年度以降で最低となった。

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