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中国がさらなる景気対策を示唆、不動産セクターに一段の支援策か

  • 不動産開発業者に1年の返済猶予、物件完成と確実な引き渡しが狙い
  • 一段の不動産支援策が講じられる公算大と複数の国営メディアが報道

中国はさらなる景気対策が近く実施されると示唆した。当局は低迷する不動産市場のてこ入れで、開発業者向け融資の返済延長などの小さな措置をこれまでに打ち出している。

  複数の国営経済紙が11日、企業の信頼感を高める措置に加え、一段の不動産支援策が講じられる可能性が高いと報じた。

  これに先立ち、当局は不動産会社への融資要件緩和に向け銀行への圧力を強化。中国人民銀行(中央銀行)と国家金融監督管理総局は10日の共同声明によると、金融機関は不動産企業の未返済ローンに関して延長の交渉に応じるよう促される。建設中の物件を完成させ、引き渡しが確実に行われるようにする狙いがある。

  2024年末までに期限を迎える信託ローンを含むローン残高の一部については、1年の返済猶予が与えられるという。

中国、不動産支援策を拡大へ
Source: Bloomberg

  中国の不動産危機は世界2位の経済大国である同国の景気回復を妨げており、政府が需要を回復させるために一段の措置を講じるとの期待が高まっている。今年に入り一時回復していた住宅販売は6月に再び減少に転じ、債務を抱える不動産開発業者への圧力が強まった。

  市場回復に向け、当局による一段の支援策が期待されてきた。事情に詳しい複数の関係者が6月に語ったところでは、中国は主要都市の中心部以外における物件の頭金比率引き下げや仲介手数料の減額、住宅購入に関する規制のさらなる緩和など、新たな一連の措置を検討しているという。

  中国証券報は11日、中国は不動産市場の安定的かつ健全な発展を促進するため、政策展開を「加速」させる見通しだと報じた。また、別の報道では、政府は当局者と企業幹部との最近の会議を受け、民間企業と国有企業、外資系企業の景況感を高めるための措置を導入する可能性があるという。

  一方、上海証券報は東方金誠国際信用評估のチーフマクロアナリスト、王青氏の発言を引用し、政策担当者は不動産市場のソフトランディング(軟着陸)を実現するために不動産購入・住宅ローンの規制緩和や住宅ローン金利引き下げといった追加措置を講じる可能性があると伝えた。

  マッコーリー・グループの中国経済担当責任者、胡偉俊氏は顧客向けリポートで、「不動産開発業者の資金調達に焦点を絞ったこの日の措置は、同セクターを安定させるのに十分とはとても言い難い。結局のところ、住宅市場が弱いままなら銀行の信用リスクは高止まりすることになるだろう」と指摘した。

  それでも今回の動きは不動産部門への追加支援策を示唆している可能性があるとして、「頭金比率の引き下げや購入制限の緩和など、需要面の対策が進むと予想している」と述べた。

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原題:China Signals More Economic Aid After Property Debt Relief (2)(抜粋)

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