CELEBRITY / NEWS

ロバート・ダウニー・Jr.、最も重要な出演作は『シャギー・ドッグ』と『ドクター・ドリトル』

『アベンジャーズ』シリーズなどで知られるロバート・ダウニー・Jr.にとって、この25年の出演作の中で重要なのは『シャギー・ドッグ』と『ドクター・ドリトル』だそうだ。
Photo: Universal Pictures/Everett Collection/amanaimages

マーベル・シネマティック・ユニバースの幕開けとなった『アイアンマン』(2008)で主人公を演じ、以来『アベンジャーズ』シリーズをはじめとする数々の作品で活躍してきたロバート・ダウニー・Jr.。そんな彼にとって、この25年間に出演した映画の中で最も重要な作品は、2006年に公開された『シャギー・ドッグ』だそうだ。

ニューヨーク・タイムズ」紙のインタビューで、「正直なところ、この25年の間に出演した作品でいちばん重要な作品は『シャギー・ドッグ』です。ディズニーが僕に保険を掛けると言ってくれた作品だから」と語っている。「そして次は『ドクター・ドリトル』。2年半もかけてチャンスを浪費してしまった」

『シャギー・ドッグ』(2006)は、ひょんなことから犬になってしまった男性が、人間に戻ろうと悪戦苦闘する姿を描くコメディ。ティム・アレンが主演し、ロバートはヴィランを演じた。最低映画に贈られるラジー賞に3部門でノミネートされるなど、芳しい評価を得られなかった作品だが、1996年にヘロイン所持で逮捕・服役し、キャリアが低迷していたロバートにとって、ディズニーのようなメジャースタジオが初めて起用された作品だったのだ。

一方、児童文学『ドリトル先生』シリーズを原作にしたファミリー向け映画『ドクター・ドリトル』(2020)で、ロバートは妻のスーザン・ダウニーとともに製作も手がけた。だが彼の出演作の中で最低の評価を得た作品となり、ラジー賞「最低リメイク・ぼったくり・続編賞」を獲得。「マーベルの契約が終わり、次の楽しい大作、シリーズ化が期待できる『ドクター・ドリトル』にすぐに飛びついた。僕とチームは、作品そのものではなくて契約に少し興奮しすぎてしまったみたいだ。だけど当時の僕は無敵だった。ジャンル映画の教祖だったんだよ」と振り返る。

そんな評価面でも興行面でも振るわなかった本作だが、優先順位を考え直す機会になった作品として、ロバートにとって重要だと語る。「市場に出せるだけの作品にしようと努力した妻にストレスがかかったのは、ショッキングだった。あれ以来……そうだな、岐路を無駄にするな? そんなフェーズに入った。僕らは優先順位を変え、ビジネスアドバイザーも別の人に変えた」

『ドクター・ドリトル』の失敗を経験し、ロバートは自身の父で、インディーズ映画の監督だったロバート・ダウニー・シニアを描くドキュメンタリーの製作に舵を切った。結果、『Sr: ロバート・ダウニー・シニアの生涯』は昨年Netflixで公開されると、高評価を獲得。ロバートの新しいキャリアを切り開く作品となった。ロバートは本作について、「皆さんにとっては、クリックして選ぶコンテンツの一つに過ぎない」が、自分にとってはこれまで映像に残した中でいちばん重要なものかもしれないと語っている。

Text: Tae Terai