もっとも優秀なクオーツGMT「ヘリテージコレクション SBGN013」ほか──2022年「広田雅将が選ぶグランドセイコーの極私的3本」

第一線で活躍する時計ジャーナリストが「2022年注目の新作時計は?」のお題に答えた。広田雅将が選んだグランドセイコーの極私的3本は?
もっとも優秀なクオーツGMT「ヘリテージコレクション SBGN013」ほか──2022年「広田雅将が選ぶグランドセイコーの極私的3本」
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実用性と趣味性の鞍点を満たすのはこの3本

良質だが、手堅い実用時計と見なされていたグランドセイコー。しかし、この10年で別物に進化を遂げた。ケースの造形は複雑になり、文字盤の表現も多彩になったのである。そんなグランドセイコーがアメリカを含む海外で人気になったのも納得だ。

その中で選んだのは、実用性と趣味性を両立した3本である。それが「9Fクォーツ」にGMTを載せたSBGN013、世界最高峰の性能を誇るSLGH005、そしてかなり使いやすくなったスプリングドライブクロノグラフのSBGC251だ。

いずれも、かつてのグランドセイコーには乏しかった装着感への配慮が際立っている。以前のモデルに比べて価格は上がったが、良くなった外装を考えればトレードオフか。

GRAND SEIKO

ヘリテージコレクション SBGN013

クオーツを載せたGMTウォッチの中で、もっとも優れたモデル。高精度な「9Fクォーツ」に、日付表示と連動した短針の調整機能とGMT針を乗せている。使い勝手も良く、腕馴染みも優秀だ。機械式時計並みに太くて長い針を備え、視認性も抜群。SSケース&ブレスレット、クオーツ、40mm径、34万1000円〈GRAND SEIKO/セイコーウオッチお客様相談室 TEL:0120-061-012〉
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エボリューション9 コレクション SLGH005

ジュネーブウォッチグランプリの男性用部門を受賞した傑作。量産型としてはグランドセイコーでも最高峰のスペックを誇る自動巻きに、ユニークな「白樺」文字盤と、新しい設計思想から生まれた薄いケースを備える。発表以降品薄が続いているのも納得。スプリングドライブ版(SLGA009)もおすすめ。SSケース&ブレスレット、自動巻き、40mm径、104万5000円。〈GRAND SEIKO/セイコーウオッチお客様相談室 TEL:0120-061-012〉

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エボリューション9 コレクション SBGC251

「白樺」に同じく、新しいコンセプトから誕生したクロノグラフ。ケースは薄くないが、軽いブライトチタン(BTI)を使っているため取り回しは良好だ。また、ベゼルを細く見せるようなデザインのため、スーツに合わせても違和感はない。BTIケース×BTIブレスレット、スプリングドライブ自動巻き、45.3mm径、132万円(9月発売予定)〈GRAND SEIKO/セイコーウオッチお客様相談室 TEL:0120-061-012〉

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