日本株3日続落、米インフレや金利上昇を懸念-輸出やソフトBG安い
長谷川敏郎
更新日時
東京株式相場は3日続落。米国の消費者物価が2009年以来の伸びとなったことや、それに伴う長期金利上昇から景気先行きやバリュエーション調整の懸念が強まった。電機や精密機器など輸出関連、陸運株など内外需ともに売られ、自社株買いを発表しなかったソフトバンクグループは大幅安。
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市場関係者の見方
アセットマネジメントOneの村上尚己シニアエコノミスト
- 市場は米雇用統計で6月にテーパリングの話が出る可能性は低くなったとみていたものの、米消費者物価のサプライズ感は大きかった
- 米国株はハイテクのバリュエーション調整が起きやすいような水準まで短期的に上昇し、投資家が決算後の次を見据えたときにインフレへの漠然とした懸念からいったんポジションを落としやすい
- ただ、経済は戻っても雇用は加速度的に伸びる状況にはなく、米金融当局が心配するようなインフレリスクは高まらないだろう。現在はヘルシーな調整の範囲
水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャー
- 米長期金利が上がったとはいっても3月のレベルはまだ超えていない。債券市場と比べても株式市場のほうがインフレをかなり懸念している
- ボラティリティー(変動性)の高まりからどこで落ち着くかは不透明だが、バリュエーションは低下しているため株式はエントリーのタイミングに入っている
東証33業種
下落率上位 | 精密機器、情報・通信、電機、サービス、陸運、海運 |
上昇率上位 | パルプ・紙、ゴム製品、食品、銀行 |
背景
- 米消費者物価、前月比で2009年以来の大幅な伸び-主因は中古車価格
- 来年の米利上げ開始に賭ける動き広がる-予想上回る4月CPI受け
- 12日の米S&P500種株価指数は2月以来の大幅安、米10年債利回りは1.69%と7ベーシスポイント(bp)上昇で終了
- ソフトバンクG株が続落、自社株買い発表なく失望-純利益は最高
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