2009年のブランド誕生時からTHREEのスキンケアの中心的なシリーズである「バランシング」ラインは、今年の春に4年ぶり3回目となるリニューアルを果たし、年齢やジェンダーを問わず肌のバランスを整えるシリーズとしてさらに進化した。なかでも、毛穴と肌荒れに着目した「バランシングステム」ラインは、肌を落ちつかせる機能に優れた世界のハーブを厳選して配合。ベタつきがちな夏の肌を快適かつクリーンに保つプロダクトが揃う。ブランドが大切にしつづけてきた精油について、そして、製品作りにかける思いを、THREEのブランドマネージャー、桝 浩史さんが語る。
精油を成分として配合したスキンケア製品がまだ多くなかった2009年に誕生したTHREEは、スキンケアを「ホリスティックケア」と呼び、オリジナリティのある製品を発表しつづけてきた。コロナ禍を経て「バランシング」ラインをリニューアルした理由を、桝さんはこう語る。
「人間も元々は自然の一部であるという考え方の下、肌だけでなく、心も体もトータルで整えていきたいというブランドのポリシーから、THREEではスキンケアを『ホリスティックケア』と呼んでいます。デジタルの普及とともに多忙な人ほど“自然欠乏症”ともいうべき状態が色濃くなり、現代人が受けるストレスは、外的にも内的にもより複雑化しています。また、コロナ禍でよりいっそうセルフラブの意識の高まりを感じたことも理由です。まずは自分自身を大切にすることによってまわりの人も大切にできる、という考え方が広がり、定着しつつあるように思います。現代人のさまざまなストレスに対し、ゆらがずにいられるためのパートナーになれるような製品を目指してリニューアルしました」
「自分を大切にする方法は人それぞれで、美容面においては、たとえばハイパフォーマンスのサイエンスコスメを使ってスキンケアをする、あるいは、美容クリニックでの施術で悩みを解消するという人もいると思います。なかでも簡単な方法のひとつが、心安らぐ香りでリラックスすること。精油をキー成分としているTHREEは、アフターコロナの現在でもより多くの人にフィットする製品があると思います」
ブランド誕生時から精油を大切にしてきたTHREEは、2022年にTHREE ホリスティックリサーチセンターを設立し、精油や植物油、植物エキスなどをホリスティックな視点で研究している。
「THREEにとって精油は永遠のテーマであり、ずっとこだわっていきたいエレメントです。精油は1滴の中に100から400もの成分が含まれていて、想定外のエビデンスが得られることもある、とにかく奥が深いもの。特定の成分だけでなく、さまざまな成分が包括的に作用して肌と心と体のバランスを整えてくれるところも精油の特長であり、魅力です」
「肌のバランスを保つ=すっきりとした使用感」だけでないのも「バランシングステム」ラインのユニークな点であり、THREEが目指したリニューアルのポイントだ。
「バランシングステムラインは、年齢やジェンダーを問わず、お肌の悩みの上位となっている毛穴・肌荒れにフォーカスしたシリーズで、使ってすぐに肌のなめらかさを実感できるのが特長です。シリーズ3製品のなかでいちばん人気なのが、THREE バランシングステム ジェリー ウォッシュです。泡立てが不要で、顔に伸ばして洗い流すだけですっきり、つるんとした肌になります。寒天ベースのジェリーと植物由来の肌あたりがやさしいスクラブで毛穴汚れや皮脂を素早く取り去り、ジェル洗顔にありがちな“肌表面に残っている感じ”がない洗い上がりも人気の理由です」
日々のストレスから解放されるようなバランスの良い香りが特徴のロザリーナ油、肌のターンオーバーをサポートする複合成分サフラン&バードックコンプレックスのほか、角質を柔らかくほぐしてうるおいを与えるセイヨウナシ果汁発酵液などを配合。洗い上がりの肌はなめらかになり、清潔感がアップする。
皮脂が気になる人ほど使ってほしいと桝さんが語る化粧水、THREE バランシングステム ローション。常に皮脂が多い肌にもスムーズになじみ、肌荒れやキメが乱れた肌に効果的な国産のドクダミエキスやハマメリス水などが配合されている。
「とにかく高い浸透力が自慢の製品です。皮脂と相性の良い処方にすることで皮脂に弾かれることなくグングン肌に浸透する、ハイポトニックウォーターのような化粧水です。日焼けした後の肌やマスク着用時の摩擦などで負担がかかった肌には、このローションをコットンに浸してコットンパックするのがおすすめです。肌が乾燥している時は、普段お使いのとろみ系ローションの前のブースターとして使うのも個人的におすすめです」
「乳液初心者、もしくは乳液が苦手な人にも心地よく使える、ジェル感触の乳液です」と桝さんがおすすめするのは、THREE バランシングステム モイスチャライザー。
「肌荒れが気になる人ほどモイスチャライザーを省きがちですが、化粧水の後は乳液でしっかりとヴェールをかけることで肌のターンオーバーがスムーズになります。この乳液は精油や植物オイル、ボタニカルウォーターを超微細な粒子として安定させる乳化技術によって、みずみずしく緻密な天然のヴェールを形成します。肌につけた瞬間に“肌がきれいな人の質感”に!」
皮脂と近い構造で肌なじみのよいモリンガ油や、肌荒れを防ぐオウバクエキスなどを配合している。
「時代の流れだからという理由だけではやりたくないと思っています」と桝さんが語るのは、THREEのアップサイクルポリシーだ。今回のバランシングラインでは、化粧水と乳液のガラスボトルに市中回収したガラス瓶を原料としたリサイクルガラスを80%以上使用し、ローションとモイスチャライザーは詰め替え用のリフィルも展開している。
「葉の部分のみが茶葉として利用されていた国産のお茶の実からティーシードオイルを抽出したり、花芯のみがスパイスとして使われ、それ以外の部分が廃棄されていたサフランの花弁からエキスを抽出したりと、よりよい製品づくりやTHREE独自の美意識の先にアップサイクルがある、というのが理想的だと考えています」
スキンケア上級者が語る「バランシングステム」ラインのエッセンシャルな魅力
毎日使い続けたくなる使用感に精油の力を組み合わせた「バランシングステム」ラインの製品は、美容感度の高い人たちをも魅了している。今年春の発売直後から製品を愛用しているというトゥモローランドPRマネージャーの杉山耕平さんとフォトグラファーの土屋文護さんが、製品の魅力を本音でレビューする。
さまざまなブランドの製品を使用したスキンケアだけでなく、オートファジーやジュースクレンズといったウェルネスのためのアプローチを日々実践しているファッション業界一の美容通、トゥモローランドPRマネージャーの杉山耕平さんは、THREEの誕生時からの愛用者だ。精油に対する知識も豊富で、その時の体の状態に合わせて最適な精油を選び、ベストな方法で取り入れているという。
「THREEは、ブランドのスタート時からフィロソフィーやホリスティックなアプローチ、パッケージ、そして店舗のデザインなど、全てが研ぎ澄まされていて衝撃を受けました。バランシングラインのスキンケア製品からFIVEISM × THREEのベースメイクやアイブロウまで、愛用品が多いブランドです。バランシングステムラインでいちばんいいと感じたのがローションで、ベタつかずにしっかり保湿された感じがします。普段のスキンケアはブースターから化粧水、美容液、クリーム、オイルまでを使用するのですが、このローションは、プラスモイスチャライザーだけでケアを完了できるほど十分な保湿力があります。ナチュラルとサイエンスを組み合わせた抜群の処方とテクスチャーはさすがですね。今までナチュラル系スキンケアを使ったことがない人でも、物足りなさを感じることなく使えると思います」
普段のスキンケアに加えて、クリニックでのレーザー治療やハイフなど、攻めのケアも取り入れながら美肌を維持しているというフォトグラファーの土屋文護さん。この春から、バランシングステムラインが日々のケアに欠かせないものとなったそう。
「一日中屋外での撮影で日焼けをしたり、睡眠不足で肌が荒れたりと肌状態が安定しないときでも、刺激を与えることなく汚れを落として、うるおいを与えてくれる。使いつづけると肌状態がマイナスからプラスになるんです。スクラブ洗顔料は週に2回、化粧水と乳液は毎日使っています。『肌バランスを整える』と聞いて、ローションはさっぱり系なのかなと思ったのですが、かなりの保湿力。“肌が潤う”ということをまだ実感したことがない人も、この化粧水1本で即実感できるはず。抜群の浸透力の化粧水+なめらかに伸びる乳液で、いい意味で肌に厚みが出てくる気がします」
写真(インタビュー)・竹之内祐幸 編集と文・菊池琢也