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ガス危機で石油消費の伸び加速、ロシアは生産2割減へ-IEA予測

  • 今年の需要見通しを上方修正、追加需要は「圧倒的に」中東と欧州
  • EUの禁輸措置がロシア産原油に打撃、今月にも生産縮小の見通し
An employee looks out from a platform at the INA Industrija Nafte d.d. oil refinery in Urinj, Croatia.

An employee looks out from a platform at the INA Industrija Nafte d.d. oil refinery in Urinj, Croatia.

Photographer: Oliver Bunic/Bloomberg

国際エネルギー機関(IEA)は11日、今年の世界石油需要見通しを引き上げた。天然ガスの価格高騰と熱波で工業界や電力業界は石油へのエネルギー源切り替えを進めている。

  IEAの月報によれば、今年の世界石油消費量の伸びは日量210万バレル。従来の予想から2%程度、日量38万バレル上方修正された。消費予測の引き上げにつながった追加的な需要は「圧倒的に」中東と欧州に集中している。

  「天然ガスと電力価格が最高値を更新し、一部の国でガスから石油への転換を促している」とIEAは指摘。「複数の地域が猛烈な熱波に襲われる中で、欧州と中東を中心に発電での石油使用が増えていることが最新のデータで確認された」と続けた。

  IEAはまた、欧州連合(EU)によるロシア産石油の部分的禁輸措置に伴い、同国の石油生産が来年初めまでに約20%減少するとの見通しを示した。

  ロシアは製油作業を縮小しており、IEAは今月にも月間ベースで生産が漸進的に減少し始めるとみている。禁輸が実際に始まれば生産減はさらに加速する見通しだ。

  EUは、ウクライナでの戦費を賄うロシアの収入源を断とうと、同国産原油購入の大半を12月5日から停止する予定だ。来年2月5日にはロシア産石油製品の輸送に関する禁止措置が施行する。

EU、ロシア産石油の部分的禁輸とズベルバンク制裁を承認 (1)

原題:Oil Use Grows Faster as Gas Crisis Spurs Fuel-Switch, IEA Says

IEA Sees Russia Oil Output Down 20% When EU Ban Takes Effect (1)

(抜粋)

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