WEDDING / FEATURE

すっぴん風メイクで結婚式に臨む花嫁が増えている!? 

ブライダルビューティーのトレンド、ミニマムな 「ノーメイク風メイク」って? それはアメリカを中心に流行中の、花嫁たちのすっぴん風メイク。大切な結婚式では、化粧崩れを気にするよりも、自分らしくリラックスしたい……そんな願いを持つ花嫁たち必読のリポートをお届け。
ブライダルビューティー、ウエディング、すっぴん風メイク

それは昨年9月のこと。とある花嫁がヴァージンロードを歩く直前、介添え人からリップグロスを借りた。実はこの花嫁、ウェルネスブランド「Golde」の共同設立者、トリニティ・ムーゾン・ウォフォード。彼女は普段あまり化粧をしないかわりにスキンケアにはこだわりがあった。そこで、ほぼノーメイクのすっぴん風メイクに、介添人から借りたグロスを少しだけ唇にのせ、結婚式に挑んだのである。

すっぴん風メイクが、人の心をつかむ

Photo: g-stockstudio/Getty Images

オンライン上でこの写真を見た人たちは、すぐに彼女のミニマルなメイクを賞賛。花嫁は語る。「反響の大きさには本当に驚かされました。こだわりぬいた結婚式の中で、まさか何も気にしていなかったメイクをここまで褒めてもらえるなんて」

簡素な市庁舎でのセレモニーやビーチサイドでのウエディングパーティーが流行するのと同じように、今、ウエディングメイクをよりシンプルに、すっぴん風にしようというトレンドがある。素肌を思わせるツヤ肌にフォーカスしたファンデーションが増えたこと、定期的なメンテナンスへの意識の高まり、SNS加工のテクニックの進化、とその理由はさまざまだ。

「かつてはファンデーションやコンシーラーを厚塗りするような時代もありましたが、今はその逆。自分の肌のありのままを活かすのがトレンドです」と語るのが、大手美容ブランドとのコラボプロジェクトで知られるメイクアップアーティスト、エリン・グリーンだ。エリンもまた、ロンドンのハックニータウンホールで行われた自身の結婚式のメイクアップをミニマムにまとめた。「普段のメイクとあまり変わらないようにすることが何より重要でした」と振り返る。

厚塗りのかわりに、しっかりとした日頃のメンテナンスを

Photo: Olga Shevtsova / EyeEm / Getty Images

エリンは、親しい友人の頼みでない限り、結婚式のメイクをすることはほとんどないという。しかし、ゲストとして参加した結婚式では、花嫁のメイクをいつも熱心に観察してきた。「ある友人はメキシコのトゥルムで結婚式を挙げたのですが、真夏だったので、化粧崩れを懸念してファンデーションをやめることにしたんです」とエリン。「でも、数日前にしっかりフェイシャルをして、当日の朝にしっかりと準備すれば大丈夫。ファンデーションがなくても十分に美しい肌になります」

「ブラジルはとても暑いので、結婚式ではあまりメイクをしない傾向があります」と語るのは、ブラジルのボディケアブランド「Gente Beauty」の創設者のマリアンヌ・フォンセカだ。「私たちはビーチで挙式することが多く、そもそもブラジルは顔よりもボディを尊重する文化があるので、花嫁はメイクよりもボディケアのほうに力を入れます」

そのため、ブラジルで人気のリンパドレナージュマッサージは、結婚式の朝のメニューには欠かせないものなのだそうだ。

皮膚科医たちは、挙式に備えてしっかりと肌を整えるケアを勧めている。シカゴの皮膚科医クエンビー・エリクソン博士は、「輝く肌を見せたいと願う花嫁は、挙式までの数カ月間に集中した治療をおこなっています」と語る。光治療で日焼けによるダメージやシミ、切れた毛細血管などをきれいにするのが、結婚式の3カ月前に受ける人気の治療法だという。彼女のおすすめは、最新のたるみ治療で知られる「Sofwave®(ソフウェーブ)」。顎のラインを持ち上げて、ダウンタイムなしで効果を出せるのだそう。マンハッタンに拠点を置く皮膚科医ドリス・デイ博士も「Sofwave®(ソフウェーブ)」の効果には太鼓判を押す。「Sofwave®(ソフウェーブ)」の超音波技術は、絶妙なリフトと健康なコラーゲンブーストのために約6カ月を要すると指摘し、花嫁たちには結婚式の半年前からの治療をすすめている。

メイクのかわりにスキンケアを。顔にはライフスタイルも反映されるのだから

Photo: Sandra Åberg for VOGUE Wedding Spring 2015 issue

さて、気になるのは日頃のスキンケアとライフスタイルだ。自身の名を冠したジュエリーブランド「Monica Sordo」を手掛けるモニカ・ソルドは、パンデミックが加速させた自身の美容習慣の変化を語る。「バランスのいい食事、適切に処方されたサプリメント、運動、美容習慣、瞑想のための自分のための時間……これらすべてが、自分の態度、目、笑顔、そして最終的にはあなたの肌に反映されると感じています」。ファッション界はすでにこのムーブメントを受け入れており(つまりはブライダル界が今後そうなるということだ)、モニカ自身も結婚式では完全にすっぴんで臨んだのだそう。マイアミのソーホーハウスで挙式とブランチを行い、シャンパンとポラロイドカメラ、そして生涯をかけた渾身のスキンケアで結婚式を完成させた。

「普段もメイクは控えめだけど、美容にはかなり気をつけています」と笑うモニカは、フェイシャルやプラズマトリートメント、そして昔ながらのメソッドが好きだという。最近、友人の結婚式のメイクもどんどん明るくなっていることにも気づいたのだそう。「写真撮影のを考えると、もちろん完全なるノーメイクにするのは難しい。でも、大切な友人たちは皆、結婚式ではナチュラルメイクを選んでいます。彼女は、この急成長中のトレンドは今後もっと広がっていくと予測している。「以前は、自分も含めて女性は常に "不完全なもの"を隠したがっていましたが、今は自分のありのままの美しさにもっと自信を持っています」と彼女は語る。

冒頭に紹介した花嫁、トリニティ・ムーゾン・ウォフォードもその姿勢を支持している。「結婚式当日の美容に悩む花嫁に、私は、本当の自分、普段の自分のように見えるスタイルを絶対におすすめします。メイクをするのが好きで、メイクを楽しんでいるのなら、それはそれでいいことです。でも、メイクアップ・ミニマリストはすっぴんに近いメイクだっていい。メンテナンスが少なければ、その分、大切な日を楽しむ時間が増えるわけですから、それを否定する人はいないでしょう?」

結婚式でのトリニティ・ムーゾン・ウォフォードと娘のルビー。

Photo: Meredith Heuer

Text: Arden Fanning Andrews Adaptation: Mayumi Nakamura
From: VOGUE.COM

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