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中国製造業セクター、5月に改善か少なくとも安定-2つの調査が示唆

  • 5月の製造業生産は前月から「顕著に」回復、受注も増加-CBB
  • 新興産業PMIは持ち直し、安定し始めている兆しとゴールドマン

中国の製造業セクターは5月に前月と比べて改善されたか、少なくとも安定したことが2つの調査で示唆された。回復ペース鈍化の兆しが見られていた中国経済について若干の安堵(あんど)感が広がった。

  チャイナ・ベージュブック(CBB)は5月の製造業生産が前月から「顕著に」回復し、国内外からの受注も増えたことが自社の調査で示されたと説明。これとは別にゴールドマン・サックス・グループは、代替エネルギーや先端製造業、バイオテックといったセクターの活動を測る新興産業購買担当者指数(PMI)の持ち直しに言及した。

  CBBは発表資料で、「新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む『ゼロコロナ』政策解除後の景気回復に終止符が打たれたと判断するのは時期尚早だ。欧米の軟調な需要が依然として大きな逆風となっているが、製造業活動は崩壊との臆測を覆した」と分析した。

  さらに、中国製造業企業の5月の売上高と利益率は前月を上回り、サービス・小売りセクターも上向いたと付け加えた。CBBのデータは中国企業約1000社を対象に今月18-25日に実施された調査に基づく。

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  ゴールドマンの中国エコノミスト、閃輝氏はリポートで政府の製造業PMIの先行指標と見なされている新興産業PMIについて、5月は季節調整後ベースで持ち直しの兆候が表れていると指摘。「製造業活動が安定化し始めていることを示す暫定的な兆しだ」と説明した。

  政府が31日発表する5月の製造業PMIについて、同氏は49.8と、前月の49.2から上昇すると予測。エコノミストのコンセンサス予想では49.5が見込まれている。活動拡大・縮小の境目は50。

原題:China’s Manufacturing Sector Improved in May, Surveys Show(抜粋)

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