THE ONITSUKAは、ダービーが買い──GQエディターズ・ピックス

見た目はレザーシューズ、履き心地はスニーカー。THE ONITSUKAのフットウェアに注目だ!
THE ONITSUKAは、ダービーが買い──GQエディターズ・ピックス

オニツカタイガーの本気

オニツカタイガーが手掛ける、メイド・イン・ジャパンのドレスシューズをテーマにした「THE ONITSUKA」が調子いい。このコレクションは、日本製にこだわったもの作りを標榜する。とりわけ注目は“レッドライン”だ。これまで廃棄されていた神戸牛の革を再利用してアッパーに用いながら、ドレスシューズのようなエレガンスを讃える。

ソールのヒール部分にαGEL Formを用い、衝撃緩衝性を高めている。さらにインナーソールには硬さの異なるフォーム材を組み合わせることによってサポート性を強化するなど、スニーカーライクな履き心地の良さが光る。スーツにもカジュアルにも合わせやすい名作モデル、「ダービー」を例にディテールをチェックしてみよう。

「ダービー」はサイドビューが美しい。ほどよいボリュームのトウをはじめ、シャークソールならではのカジュアルなアクセントが効いている。スタイリングをモノトーンでまとめれば、ミッドソールの赤が効いてくるし、あるいは、この赤色を拾った着こなしにチャレンジしてもいい。

丸みを帯びたトウは、ジーンズもいけるボリューム感だ。アッパーに用いられる“神戸牛レザー”は、皮革産地のひとつ、国内の自社工場でなめされたもので、クオリティも高い。メイド・イン・ジャパンのこだわりが詰まった素材のセレクトだ。

インソールの様子。裏返すと、ヒールから土踏まずにかけてフォーム材が貼り付けてあり、フィット感とクッショニングをサポートする。前足部にあたる箇所がモールディングされているなど、ディテールの詰めが感じられる。

「THE ONITSUKA」は、素材のセレクトとシューズとしての緻密な設計が魅力だ。ほかにスリッポンやブローグもあるが、最初に買うならダービーがいちばん使いやすい。外羽根とストレートチップのデザインは、ドレス感もほどほどで、ボトムスに悩まなくてすむ。そして、履きなれた頃にはほかのレザーシューズに足入れしたくなくなるほどの快適な履き心地も素晴らしい。ファッションの玄人も素人も受け入れてくれる懐の深いフットウェアである。

THE ONITSUKA DERBY 4万1800円

THE ONITSUKA 公式オンラインストア

https://theonitsuka.com/

文と写真・岩田桂視(GQ)