初めての運動は、自己流でスクワット30分! 褒められてやる気がさらに向上
──前回のお話では、食事改善を始めて最初の2カ月で10kg減量されたということでしたね。
Y はい。そこからモチベーションが湧いてきて、さらに6kgのウェイトロスをかなえ、あっという間に70kgくらいまで体重が落ちました。そして、苦手意識があった運動にちょっとずつ手を出し始めたんです。
──すとーん!と落ちた後の次なる一手が運動だったわけですね。どんな運動から始められたのですか?
Y それがですね、今まで“運動ができない子”として育ってきたので、“自分にできるわけがない!”と思ってしまっていて怖かったんです…。そんな私が自己流でやったことは、まずYouTubeを見ながらひたすらスクワット。多分他の人が見たらおかしいと思うくらい……30分とか続けてやっていましたね。
──スクワット30分って、かなりハードですよね。相当な根性だと思います。
Y どんな運動が合っているのかも、何が正しいフォームなのかも、全然分かっていなかったんです(笑)。正解ではなかったと思うのですが、とにかく自己満足の世界でひたすら続けていたら、これまた余分な体重が減り続けていきました。その頃(2020年6月〜7月)リモート期間中でしたが、たまに会社に行くとみんなが、「だいぶ落としたね!」と言ってくれるようになって。それも嬉しかったし、結果として数字に表れていくことに充実感を抱くようになり、2020年の8月には68kgくらいをマークしました。
──スタート時から5カ月で約20kg減! 自力でそこまで達成したのは、本当にすごいことですね!!
Y ありがとうございます。そのうち、“自分の運動フォームは多分間違っているから、誰かにアドバイスを聞いたほうがいいんじゃないか?”と思うようになり、2020年8月からパーソナルトレーニングを受け始めると同時に、ヨガもデビュー。これは自分の中で大決心でしたね。
プロの手を借りるという自己投資の決意が、成功の引き金に
──ずっと苦手だった運動を自ら始めようと思ったのは、もっとボディメイクしたいという気持ちが強かったのでしょうか?
Y 30代になっていろんなことが通用しなくなった、というのが大きかったかもしれません。
──というと?
Y もともと、食べ方やスキンケアに関して、興味関心が薄かったんですよ。結構、適当に生きていたというか……(笑)
──そんな感じには見えないですけど。
Y いえ、健康やインナービュティーへの意識はだいぶ低め。20代は外側だけでなんとかしようと思っていたんですが、30代に入るともう顕著にあらわれるんですよね。多分健康や美を保っている皆さんは、年を重ねながら筋肉を蓄えていったり新陳代謝の衰えに対応したり工夫しているじゃないですか。実践するには、ヘルスケアにまつわる知識も必要ですし。一方、私自身はというと、確かに20代までは見た目的には大丈夫だったのかもしれないんですが、中身は筋肉が不足していて全然体を支えられていなかったと思うし、新陳代謝も悪くなる一方だったんです。
──何か心当たりがあったんですか?
Y 33歳だったかな、そのくらいの時期に皮膚にイボができ始めました。栄養の摂りすぎによるものだったのでは、と私は思っているんですが、そのイボも体重が落ち始めてからだんだん減っていったんですよね。あまり気にしない性格なので、それほど悩んではいたわけではなかったんですが、減り始めてから“脂質の摂りすぎだったのかな”と思い至りました。
──Yさんが“カラダ改革”を始めた大きなきっかけとして、「コロナ禍でリモートワークになったことで、自分で管理できる時間が増えた」とおっしゃっていましたよね。わずか5カ月のうちに、ご自身の身体ととことん向き合ったんですね。それで、本格的に運動をするという大決心を。
Y 最初は自分には続けられないだろうと思っていましたよ。
──でも結果的に続けられているんですよね! 一体どんな秘策が?
Y 秘策とかはないんですが、自分の性格上ケチなところがあって。そこが良かったのかなと(笑)。とりあえずお金を払ったらやるんじゃないかな、と思ったんです。実はパーソナルトレーニングに対してちょっと怖い気持ちがあったので、ヨガも同時に始めたんです。もしパーソナルが続けられなくなっても、ヨガがあればいいかな、と思って。
──ヨガは個人レッスンですか?
Y いえ、グループレッスンです。運動神経に自信がなかったので、最初は運動量が少なめのクラスにしました。呼吸しているだけの……。それを週2、3回のペースで続けました。
──かなりの高頻度ですね。
Y でも呼吸法メインだったので、運動量はそんなになかったんですよね。並行して通っていたパーソナルトレーニングのトレーナーにはそれまでの経緯を伝え、トレーニングメニューを組んでもらうことにしたんです。「数カ月で25kgくらい体重が落ちたんですけど、そこからペースが停滞気味で、どうすればいいですか?」って。その頃には60kg台前半くらいにまでなっていたのですが、そこからあまり数字が変化しなくなっていたんです。
体を動かし始めたことで、5カ月のうちに肥満体から脱し、自力で20kg減まで到達したというから、Yさんの継続力、集中力たるや相当なものだったと筆者は思う。そして、とうとう迎えてしまった停滞期にYさんはしっかり向き合い、モチベーションを持続させていった。彼女はカラダ改革の“踊り場”をいかに乗り越えたのか。
>>次回は、この先に再度立ちはだかったさらなるスランプについてと、どこをゴール地点にしていたのかについても、聞かせて頂く予定だ。
今回の体験者:Yさん(ファッションブランドのグローバル管理職・35歳)
ファッションブランドにてグローバルPRチームをまとめる管理職を務める。海外出張による体内時計の乱れなどにより、一時期は体重が約35kg増となるも、元来の真面目さとビジネスで培った考察力を活かし、見事減量に成功した。
※この体験記はあくまで個人的な体感、感想で、すべての人に当てはまることではありません。
※極端な食事制限などによる減量や痩せ過ぎを推奨するものではありません。
Interview & Text: Sayaka Kawabe Editor: Rieko Kosai