コンテンツにスキップする
Subscriber Only

ソフトバンクGが7日決算、ファンド事業の赤字継続-孫社長は欠席

  • 上場企業は価値改善したが、未上場企業は下落か-MSTギブソン氏
  • 投資の大半損している、孫氏欠席で後継者不足意識も-レデックス

ソフトバンクグループは7日、2022年10ー12月期(第3四半期)の決算を発表する。赤字続きのビジョン・ファンド(SVF)で再び損失の可能性があり、今後の戦略について説明が求められる。孫正義社長は出席せず、同社長不在の初めての説明会となる。

  MSTファイナンシャルのシニアアナリストのデービッド・ギブソン氏は、同四半期のSVF投資損失は10億ドル(1300億円)規模であったと推定。投資先上場企業の価値が前の期と比べ約20億ドル改善したが、未上場企業で約30億ドル下落したとみている。

  野村証券の増野大作シニアアナリストは、同四半期のSVF事業からの税引き前損益は480億円程度の赤字を予想している。

  一方、世界の株式市場は回復の兆しを見せている。テクノロジー株のバロメーターである米ナスダック100指数の下落率は7-9月が4.6%、10-12月は0.3%と縮小傾向だ。こうした環境下、ソフトバンクGは投資に消極的で、ブルームバーグの集計では同社の同四半期の新規投資件数は前年同期比で約9割減少し、過去最低となった。

SoftBank Group CEO Masayoshi Son Presentation After 4Q Earnings Announcement
ビジョン・ファンドについて説明するソフトバンクGの孫社長
Source: Bloomberg

  ギブソン氏はブルームバーグの取材に対し、孫社長の説明会への欠席は投資家にとって「ネガティブ」だとし、「彼は責任者であり、投資などに関して彼が言うことは実際に起こる。彼がどう考えているのかわからないと、突然の方針転換などでサプライズを引き起こす危険性がある」と述べた。

  投資調査会社レデックス・リサーチのアナリストのカーク・ブードリー氏は、投資分析情報サイト「スマートカルマ」に1日に配信したリポートで、孫社長が出席しない説明会は、同時に強力な後継者候補のいないことを再び投資家に想起させると指摘。また、ソフトバンクGの「投資の大半は損しており、それが長期的に好転するかどうかは分からない」とインタビューで語った。

  孫社長は半導体設計会社アームの経営に集中するとして、投資家の前に姿を見せない。だが、ギブソン氏は23年中のアームの上場はないとみている。ソフトバンクGの新規投資の鈍化は継続し、自社株買い実施の可能性も低いという。同氏は目標株価を7000円から6000円に引き下げた。

関連記事:

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE