テクノロジーはファッションをどう進化させるのか。N.ハリウッドのデザイナー、尾花大輔とNMB48の渋谷凪咲が語る。
コロナ禍によって、ファッションや音楽シーンは、その在り方を問われることになった。気候変動対策をはじめとした意識の変化の後押しもあり、業界は変革を余儀なくされている。ファッションデザイナーの尾花大輔と、「DELL XPS未来ラボ」のキャンペーンアンバサダーをつとめるNMB48の渋谷凪咲が、未来について語り合った──。
渋谷凪咲(以下、渋谷):早速ですが、尾花さんは“ファッションの未来”と聞いて何を思い浮かべますか?
尾花大輔(以下、尾花):多方向あると思います。自分のことだけでいえば、今後は、ファッションはいまよりも趣味として消化されていくと考えています。いまはファッションで他人からどう識別されるか、ということよりも、自分自身のあり方の方が大きいかと。いかに自分の活動や生活環境を妨げないような服を作るのか、いかに着るのか、ってことが大事になっていますね。
渋谷:私は、流行りだからという理由で服を選ぶのはあまり好きではなく、自分を輝かせてくれるような服が素敵だなと思います。ただ、趣味としての服を着たい気持ちはいつもありますが、普段は新幹線移動が多いので、車内で体が冷えないような服装をしています。オシャレではなく、機能や着心地を重視しているというか。そのぶん、休日は自分のテンションが上がるような服を着るようにしています。尾花さんと方向性が似ていたので、嬉しくなりました。
尾花:外で他人に見せるための服もあるけれど、家の中で着ていても自分らしいと感じる服もありますよね。個人的には、昔よりも人に見てもらうために服を買ったり、着たりという感覚が薄れてきていると感じます。
渋谷:最近では、さまざまなファッションブランドで、サステイナブルへの取り組みやフェアトレードといった、SDGsについての取り組みを見かけます。この流れが生まれたことは、服作りに影響を与えていますか?
尾花:それはないですね。たとえば先日、漁で使う投網(とあみ)は廃棄が多いらしくて、それを再生して作った新素材を勧められました。しかしながら、生地としては硬く、値段も高価だったので使いませんでした。そこで感じたのは、もう少し気軽にみんなが使えるように、製品化しないといけないということ。このような課題はたくさんあって、商品に直結するような素材は簡単には作れません。それゆえ、新しいものをなんでも取り入れるのではなく、いま持っているもののなかで持続可能性を意識しながら使うことが必要なんじゃないかな。そういう小さなところから始めて、将来的に大きなうねりになっていけばいいと思います。
渋谷:高価な服でも、それを大切に着続ける、という考え方もありますよね。
尾花:ラグジュアリーブランドの服って高額ですよね。なぜ高いかといえば、素材が高級であったり、生産過程にコストをかけていたりと、様々な要因があるわけです。これからの時代、高額やラグジュアリーそのものの考え方と価値観が変わる可能性は充分にあるというか。極端な話をすると、たとえば、なんでもない300万円の無地のTシャツがあったとします。着ていてほつれたらブランドの工房に戻して糸をほどき、高価な洗剤でクリーニングして編み直し、新品同然で購入者の手に戻す、というサービスが受けられるとする。編み直す職人やクリーニングをするスタッフの人件費などを考慮したら、これほどの値段になるのは当然であり、これこそ究極のSDGsであり、これからの付加価値の在り方になり得るかもしれない。まあ、なかなか難しいと思いますけどね。
渋谷:パッケージも100%リサイクルできる素材で作られていたり?
尾花:過剰包装という問題も起きてきますね。とくに、ラグジュアリーブランドは難しい。丁寧に包装してくれたほうが、買い手の気持ちは満足するけれど、いっぽうでは廃棄の問題がある。こうして考えすぎるといろんなところで矛盾するから、とにかく「持続可能な社会とはなにか?」ということについて、個人で意識をすることが大切なんだと思う。1日に1つ、意識的に何かに取り組むようにするとかね。
渋谷:コロナ禍の影響で、もの作りやファッションへのアプローチの仕方に変化はありましたか?
尾花:ここ数年、パンデミックの影響でショーを中止しましたが、その代わりに、表現の形を変え、映像を通じて創作を発信するようになりました。また、これまでは自分たちが伝えたいメッセージは、メディアを通じて発信していたけれど、ブランドとして直接発信することによってお客様とよい関係性を作れたのも大きな収穫でした。パンデミック以前よりも、オンライン上で生まれる作品や、そこで繋がる人との交流に対して、確実に前向きになれています。
渋谷:私たちは劇場公演ができなくなり、自分たちの無力さを痛感したのと同時に、あらためてファンの方の愛情の尊さに気づきました。ファンの皆さんが私たちを盛り上げて、そして輝かせてくれていたんだなって。
尾花:ファッションショーに来場するのは、ジャーナリストがほとんどだけど、アイドルのライブはファンだからね。
渋谷:そのいっぽうで、ライブ配信といった新しい手法によって、どこにいてもファンの方と繋がれるようになったのも成果のひとつだと思います。
渋谷:じつは私、人生でパソコンを所有したことがなかったんです……(笑)。でも、今回アンバサダーを務めさせていただき、PCを持つことによって自分の可能性が広がるのを感じました。YouTubeの編集や、ビデオチャット会議など、“もっと深く繋がれるもの”がパソコンなんだな、って。とくに、「DELL XPS」は、友だちと一緒に画面を見ながらパネルに触れ合えるので、オンラインだけでなく、オフラインでも距離が近づきます。「DELL XPS」を持っていれば、自分の未来が輝きそうな気がするんです。これからの時代、パソコンと日常がより一体化していくと思っているのですが、シンプルなデザインの「DELL XPS」は、どこにでも馴染む新世代型のツールですよね。
尾花:いまはタッチスクリーンのデバイスが多いから、液晶を触りつつ、必要な時にトラックパッドで操作するって考えると使い勝手がいい。シンプルで無駄を省いたデザインなので、仕事にもより集中できると感じました。
渋谷:トラックパッドの部分、触り心地がめっちゃ気持ちいいんです(笑)。スケートリンクみたい!
尾花:そうかな?(笑) スケートリンクを撫でたことがあるけど、ザラザラだったような……。
渋谷:いや、絶対にスケートリンクです。
尾花:渋谷さんがそうおっしゃるなら、そうなのだと思います(笑)。
渋谷凪咲(しぶや なぎさ)
1996年8月25日生まれ、大阪府出身。NMB48のメンバー。アイドルとしての活動のみならず、バラエティ番組でも引っぱりだこ。先日開催された「IPPON女子グランプリ2022」 タレントブロックにて準優勝を果たすなど、お笑いの才能も際立っている。
トップス¥29,700、フレアスカート¥63,800〈malamute/ブランドニュース Tel.03-3787-3673〉、イヤリング¥26,180〈KNOWHOW/ノウハウ ジュエリー Tel.03-6892-0178〉、その他スタイリスト私物
尾花大輔(おばな だいすけ)
1974年生まれ。神奈川県出身。原宿の古着店「ゴーゲッター」の立ち上げに参画。バイヤー、マネージャーとして活躍。2000年にショップ「ミスターハリウッド」を原宿にオープンし、翌年N.HOOLYWOODを設立。2011年春夏よりニューヨーク・コレクションに参加。
DELL XPS 未来ラボ
挑戦する人を応援するプロジェクト「DELL XPS 未来ラボ」。渋谷凪咲さんが様々な分野で挑戦しているゲストと対談。YouTube デル・テクノロジーズ公式チャンネルで公開中。
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デル・テクノロジーズ株式会社
https://www.dell.com/ja-jp