ワイヤーカード、ブラウン前CEOが保有株式を処分-融資で担保提供
Eyk Henning、Steven Arons-
約180億円のマージンローンで株式を購入していた-関係者
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多額の現金の所在不明でワイヤーカードの株価は先週急落
独オンライン決済会社ワイヤーカードのマーカス・ブラウン前最高経営責任者(CEO)は、保有する同社株式の大部分の処分を余儀なくされている。同氏は株式を担保提供して借り入れを行っていた。事情に詳しい関係者が明らかにした。
関係者によると、筆頭株主として同社株式の7%を保有していたブラウン氏は、同社株式の価値を担保とした1億5000万ユーロ(約180億円)のマージンローンを通じて株式を購入していた。同社の株価は先週、多額の現金の所在が不明になった問題で72%下落し、ブラウン氏が担保として差し入れていた株式の処分につながったという。情報が非公開であることを理由に匿名を条件に関係者が語った。
ブラウン氏は2002年にCEOに指名され、数千万ユーロの自己資金を同社に投資していた。ブルームバーグがまとめたデータによると、6月19日時点では同社株式を約870万株保有。当局への届け出によると、同氏は17年後半、持ち分の約半分に相当する420万株を担保に融資を受けていた。関係者によると、当初の1億5000万ユーロの融資はドイツ銀行が行っていた。ドイツ銀はその後、同融資の少なくとも一部をローン担保証券(CLO)に組み入れたり、他の投資家に売却したりしたという。
ブラウン氏およびドイツ銀行の広報担当者はコメントを控えた。
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原題:
Wirecard’s Braun Has to Unwind Shares Pledged as Collateral (1)(抜粋)