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時価総額10兆ドル迫る-中国株式市場、週内にも5年ぶりに到達か

更新日時
  • 今回の株高が10兆ドルの節目で止まる公算小さい-交銀国際の洪灏氏
  • 「トップが唱える全般的な言葉は引き続き市場に対し支援的」

中国株式市場の時価総額が10兆ドル(約1071兆円)に戻るのを投資家は5年間待ち続けた。

  節目の10兆ドルを回復すれば、本土株が歴史的な急落から完全に立ち直ったと言えるのかもしれない。そうした朗報が週内にも聞かれる可能性はある。

  ブルームバーグが集計した13日時点でのデータによれば、今月相場が大きく上昇した中国株式市場の時価総額は約9兆7000億ドル。2つの指数が2015年の水準に達し、事実上全ての指数が過熱気味だ。人民元ベースでは中国株式市場の時価総額は68兆元とすでに過去最高を更新した。

  ただ記憶に新しい5年前の本土株バブルと現在の類似点は、政策当局の警戒も招き始めている。10日の中国株式市場は大型株が大きく値下がり。政府系の2つの基金が株式の保有を減らすと発表したためだ。依然として国営メディアが株式の強気相場を擁護する一方で、「健全」な株式市場の重要性を訴える論説も登場した。

中国株高に警戒サイン、政府基金が売却着手-大型株下げ目立つ

China market capitalization approaching $10 trillion for the first time since 2015

  前回の株式ブームの始まりとピークを正確に予測した数少ない市場関係者の1人である交銀国際の調査責任者、洪灏氏は、今回の株高が10兆ドルの節目で止まる公算は小さいとみている。「上向きのトレンドは変わらない」とリポートでコメント。「トップが唱える全般的な言葉は引き続き市場に対し支援的だ。これが本土のセンチメントを支え、国家的な決意を強め、新しい革新的な産業への投資資金を賄っている」と指摘した。

アマチュア投資家、中国株急上昇をけん引-取引口座開設の動き広がる

  中国国際金融(CICC)のアナリストらは早ければ5年後には時価総額が倍になるとの見通しも示している。

  中国株式市場の時価総額が初めて10兆ドルを突破したのは15年6月。この時は信用取引による買いがけん引していた。

  ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーは強気相場が少なくとも今後数カ月は続き得ると予想。

  UOBケイ・ヒアン(香港)のエグゼクティブディレクター、スティーブン・レオン氏は、中国が市場改革を加速しようと取り組んでいることもあり、「10兆ドル突破は巨大な強気相場の始まり」との見方をしている。

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原題:China’s Stock Market Is Closing In on $10 Trillion Milestone (1)(抜粋)

(最後の2段落を追加して更新します)
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