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みずほ、米投資銀行グリーンヒルを買収へ-企業価値5.5億ドル

更新日時
  • みずほはグリーンヒル株1株当たり15ドルを現金で支払う
  • 過去数年にM&Aバンカー採用、買収でチーム補強へ
みずほ銀

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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

みずほフィナンシャルグループは米投資銀行グリーンヒルを買収することで合意した。買収により米事業拡大を加速させる。

  みずほは1株当たり15ドルを現金で支払う。債務を含めグリーンヒルの企業価値を5億5000万ドル(約760億円)と評価した取引。両社が22日発表した。

  グリーンヒルの経営陣は身売り後もとどまり、スコット・ボク最高経営責任者(CEO)は合併、買収および再編担当の会長となる。

Japan's Mega Banks Ahead of Earnings Announcement
みずほFGのロゴマーク
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  邦銀は米国の投資銀行との提携を強めているが、みずほは買収で一歩先へ進んだ。三井住友フィナンシャルグループは先月、米国での資本市場および企業の合併・買収(M&A)助言事業強化を目指し、米ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループへの出資比率を引き上げた。三菱UFJフィナンシャル・グループは2008年の金融危機時からモルガン・スタンレーと提携している。

  1株当たり15ドルの買収価格はグリーンヒル株の19日終値に対して121%の上乗せとなる。

  グリーンヒル株は22日の米国株式市場で一時119%高の14.85ドルとなり、2022年4月以来の高値を付けた。一方、みずほ株は23日の東京市場で、前日の終値2061.5円を挟んで小動きとなっている。

  米国みずほ証券のジェリー・リッツィエーリ社長兼最高経営責任者(CEO)はインタビューで、グリーンヒル株は「つい2月までこの水準で取引されていた。地銀株は40%程度下落したが、グリーンヒル株はかなり大きく下げた。優れたブランドに対して適正価格を支払うことになると考えている」と語った。

  買収によりみずほの従業員は370人増え、グリーンヒルは世界15カ所での営業を続ける。メルボルンとストックホルム以外はみずほの既存の拠点と重なっているという。買収は年末までに完了する計画で、グリーンヒルはみずほのディールメーキング部門の一部となる。

  みずほはグリーンヒル買収が投資銀行チームを補強すると考えている。「当行がM&Aバンカーの採用を開始したのは最近で、ここ数年のことだ」とリッツィエーリ氏が述べた。債務、株式、資本市場、デリバティブ(金融派生商品)、債券と株式のセールスやトレーディング、証券化とフルレンジの商品を提供しているが、M&Aが欠けていたと説明した。

  ブティック型投資銀行のグリーンヒルは、創業者でM&Aベテランのボブ・グリーンヒル氏の下で2004年に株式を公開。ボク氏は10年から単独でCEOを務めている。過去10年にはモーリスやフーリハン・ローキー、PJTなどのブティック型投資銀も株式を公開し、グリーンヒルの競争相手となっていた。

  モルガン・スタンレーMUFG証券のアナリスト、⻑坂美亜氏らはメモで、今回の買収は新たな中期経営計画で示されたグローバル投資銀行業務を強化する方針に沿った内容で、「収益多様化と米国資本市場でのビジネスの拡大は同社戦略にとってポジティブ」と評価。開示された買収金額5億5000万ドルから、普通株等ティア1(CET1)比率への影響は約6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と推計した。

原題:Greenhill Jumps 116% as Mizuho Agrees to Buy for $15 a Share (1)、Mizuho to Buy Investment Bank Greenhill in $550 Million Takeover、Greenhill Jumps 119% as Mizuho Agrees to Buy for $15 a Share (2)(抜粋)

(みずほFGの株価動向やアナリストの見方を追加して更新します)
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