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「JO1」のJAMに参加しませんか?──ファンと共有する物語に終わりはない!

デビューシングルとセカンドシングルが続けてオリコンで第1位を獲得。2020年春にデビューした11人組のJO1の加速度は、コロナの逆風をものともしないで増すばかり。その秘密はどこに?

取材と撮影のためにスタジオに集まったJO1の11人のメンバーは、にぎやかで、はちきれそうなエネルギーだ。姿見に向かってダンスの練習をする者、新曲「Born To Be Wild」のサビをハモるふたり、『GQ』最新号のファッションページをめくって「やべぇ、このスニーカーめっちゃ格好いい!」「俺はこっちのほうが好き!」と、感想を言い合う別のふたり──。

デビュー直前の2020年1月、ルイ・ヴィトン メゾン大阪御堂筋のオープニングイベントにサプライズ登場するなど注目を集めていたJO1。同年3月に発表したデビューシングル「PROTOSTAR(無限大)」は最初の1週間で32.7万枚を売り上げ、初登場1位を獲得。8月にリリースしたセカンドシングル「STARGAZER」もオリコンで1位となり、デビューからわずか半年で人気アーティストの階段を駆け上がった。

僕らは完成していない

国内外に数多くのグループアーティストがいるなかで、JO1がブレイクした理由はなにか? メンバーのひとり、白岩瑠姫はこんなふうに分析した。

「JO1の強みは、オーディションのときからファンのみなさんと一緒にストーリーを描いてきたことで生まれた、ファンとの一体感、団結力だと思います」

そう、オーディションから生まれたJO1は、ほかのグループアーティストとは出自が異なるのだ。

韓国の音楽専門チャンネル「Mnet」に、デビューするグループのメンバーを視聴者が投票で決める「PRODUCE 101」というオーディション番組がある。2019年にこの番組の日本版「PRODUCE 101 JAPAN」が企画され、約6000人の応募があった。応募者のなかから書類や実技の選考を経て、101人が合格。デビュー候補の101人は練習生として歌やダンスの修練を積み、11人のメンバーの座を激しく競った。そしてTBSで生放送されたファイナルには、決勝に残った20人が登場。"国民プロデューサー"と呼ばれる視聴者による投票で、最終的に現在のJO1となる11人が選ばれた。
オーディションを1位で通過した最年少の18歳、豆原一成は、JO1というグループのおもしろさについてこう語った。

「このグループは、メンバーの成長を見てもらえるところがほかとは違うと思います。みなさんにはぜひ、僕らの右肩上がりの成長曲線を楽しんでほしいです」

JO1のリーダーを務める與那城奨は、デビューから約1年でメンバー間に変化が起きていることを見逃さない。

「最初はみんな、だれがどういう役割になるのかと様子をうかがって、あまり話さない時期がありました。でもお互いの役割が見えてきて、いまはいい感じで11人がコミュニケーションをとっていますね。こういう変化は僕から見ても興味深いし、JAM(註:JO1のファンネーム)のみなさんも、一緒にどきどき、わくわくしながら見守ってくれていると思います」
なるほど、JO1を見る醍醐味は、安定した完成品を鑑賞することではなく、じぶんも当事者になれる点にあるのだ。前出の白岩瑠姫は、JO1がすべての面においてクオリティの高いグループではないことを率直に認める。

「僕らは、韓国のグループみたいに、長い時間をかけてみっちり練習してきたわけではありません。なんでも上手にこなすことができたからデビューしたグループじゃない。でも、だからこそJAMのみんなと一緒に成長することができると思います。たとえば2年後、3年後にデビューアルバムを聴き直して、成長を感じていただいたり、あの頃には未完成だからこそ出せる味があったね、なんてことを言い合ってもらえる。そういう楽しみがあるのがJO1だと思っています」

新タイプのグループアーティスト

2021年3月末には、地上波で初となるJO1の冠番組「トレスギJO1」が放映された。オーディションを2位で通過した川尻蓮は、この番組の収録をこう振り返る。

「収録はめちゃくちゃ楽しかったけれど、同じぐらい緊張しましたね。僕らは世界に通用するパフォーマンスを目指していて、この番組ではメンバーそれぞれが課題として与えられたパフォーマンスを特訓して、その成果を見てもらいました。ガチで練習して、本気で成功したり失敗したりしたわけですが、その本気度を見てもらいたいと思いながら取り組みました」
佐藤景瑚はこの番組について、「めっちゃ刺激になりました」という感想を残した。

「もし次にこういうチャンスがあったら、もっとダイナミックなことをやりたいです。実際になにをやるとか決まっていないけれど、普通じゃできないようなことにチャレンジしたいです」

川尻や佐藤の発言から、JO1というグループの個性が浮かびあがる。

「まだ未完成のメンバーがチャレンジする」→「ファンが応援する」→「パフォーマンスが向上する」という循環が起こる。結果として、ファンはじぶんがJO1というグループの成長を手伝っていることや、一緒に進化していることを肌で感じることができる。

「楽曲は売れないけれどフェスは盛り上がる時代」と言われるようになって久しい。音楽は鑑賞するものではなく、体験するものになった。JO1を見ていると、グループアーティストにも同じことが起きようとしていると感じる。好きなグループを鑑賞するというよりも、ファンみずからも一緒に成長する物語体験を共有する、その導き役となるのがグループアーティスト。そんな〝参加型・体験型グループアーティスト〟がJO1なのだ。

JO1 アーティスト

この11人による日本のグローバルアーティストグループ。デビューしてまだ1年だが、その人気は破竹の勢いだ。

1. 河野純喜  KONO JUNKI

1998年、奈良県生まれ。「メインボーカル担当で歌には自信があります。ライバルは、川尻蓮ですかね。キャラはカブらないんですけど、歌もパフォーマンスもレベルが高くて、しかもあいつは負けず嫌いで挑んでくるので(笑)」

2. 川尻 蓮  KAWASHIRI REN

1997年、福岡県生まれ。「僕はパフォーマンスリーダーを務めさせてもらっています。JO1が目指すところはグローバルに活躍できるアーティストなので、日本のJAMのみなさんに喜んでいただきつつ、世界を見据えてやっていきたい」

3. 木全翔也  KIMATA SYOYA

2000年、愛知県生まれ。「JO1でのじぶんの役割は、サブリーダーで……、いきもの係です(笑)。本当に動物が大好きで、実家ではうさぎを飼っています。いま心がけているのは、それぞれが得意な分野でスキルを身につけることですね」

4. 大平祥生  OHIRA SHOSEI

2000年、京都府生まれ。「グループ内での立ち位置は……、もう少しで高身長組になれるポジションです。僕の身長はちょうど真ん中で、あと3センチほしい。あと3センチあれば高身長組です。オリコン1位はJAMのみんなに感謝です」

5. 川西拓実  KAWANISHI TAKUMI

1999年、兵庫県生まれ。「グループ内でのじぶんの役割はまだ決まっていませんが、目指すのはオールラウンダー。歌もダンスも演技もトークも、全部やりたいです。尊敬する人物はイチローさんで、ストイックなところを見習いたい」

6. 豆原一成  MAMEHARA ISSEI

2002年、岡山県生まれ。「最年少の豆原一成です。メンバーのみんなからはかわいがってもらっています。得意なのはダンスで、一番年下ですけどここは自信を持ってやっています。JAMのみなさんには成長を続ける姿を見せたいです」

7. 金城碧海  KINJO SUKAI

2000年、大阪府生まれ。「ボーカル担当です。ボーカルのなかでも、ミラクルボイスを担当しているのが僕(笑)。新曲『Born To Be Wild』では、特にサビの部分に注意して聴いてほしいですね。なるべくボリュームを上げてください」

8. 佐藤景瑚  SATO KEIGO

1998年、愛知県生まれ。「活動するうえで大事にしているのはJAMへの感謝ですね。完成品ではない僕らを応援してくれるということは、言ってみれば親や家族みたいな存在です。JAMは、12人目のJO1。そう思いながら活動しています」

9. 白岩瑠姫  SHIROIWA RUKI

1997年、東京都生まれ。「いつもじぶんで言っちゃってるんですけど、グループでの役割は王子様、プリンス担当ですね(笑)。世界中にいろんなグループアーティストがいますけれど、僕らの強みはなんといってもJAMとの団結力ですね」

10. 鶴房汐恩  TSURUBO SHION

2000年、滋賀県生まれ。「暴走ラッパーの鶴房汐恩、好きなラッパーはBOBBYです。なぜ暴走かというと、やろうと思ったことはなんでもやっちゃうタイプなんで。バラエティでも、なんでもこいです。イジるほうもイジられるほうもOK!」

11. 與那城 奨  YONASHIRO SHO

1995年、沖縄県生まれ。「リーダーの與那城です。得意はトークで、取材とかバラエティではまとめ役を担当します。最近うれしかったことは、エアジョーダンのユニバーシティカラーの抽選にあたったことです。はじめてあたりました」

NEW SINGLE
 『CHALLENGER』

3枚目のシングルとなる「CHALLENGER」が、4月28日に発売。「Born To Be Wild」「Speed of Light」「Get Inside Me」「君のまま」「Design」「伝えられるなら」の6曲が収録されている。DVDが付属する初回限定盤Aや、フォトブックが付く初回限定盤Bも登場。

Photos エリック・ミコット Eric Micotto 
Words サトータケシ Takeshi Sato