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アダニ社債保有者が専門家に助言求める、選択肢の協議開始-関係者

  • アダニ各社の資本構造や債券の弁済順位、償還請求など助言仰ぐ
  • 協議は初期段階、債権者団体の組織にはまだ至らず

危機の渦中にあるインドのアダニ・グループを巡り、債券保有者は金融アドバイザーや法律専門家と選択肢を検討するため話し合いを始めた。アダニ・グループ各社が発行したドル建て債の一部はディストレスト水準に落ち込んでいる。

  事情に詳しい複数の関係者によると、投資家が求めているのはさまざまなシナリオの下でアダニ・グループの債務構造がどのような影響を受けるかに関する助言だ。空売り投資家ヒンデンブルグ・リサーチが不正疑惑を指摘していることもあり、想定されるシナリオには規制当局の判断や法律に基づく救済策が講じられる可能性も含まれるという。

  グループを率いるゴータム・アダニ氏が信頼を回復できず損失を食い止められない場合、投資家は保有債券について大幅な損失を計上すると想定している。ヒンデンブルグがリポートを発表した1月24日以降、系列企業の時価総額は合計で1000億ドル(約13兆1200億円)余り消失した。

アダニ、傘下企業の時価総額半分失う-ドル建て債は3日に反発

  債券保有者はアダニ・グループ各社の資本構造、さまざまな債券の弁済順位、規制当局が調査を本格化させた場合の償還請求について助言を仰いでいると、関係者は述べた。関係者は顧客に関して公に話す権限がないとして匿名を条件に明らかにした。

Adani Group Bonds Have Fallen Sharply
 
 

  債券保有者らの協議は初期段階で、債権者の組織も始まっていないと関係者は語った。急落した債券の買いの好機を狙う新たな投資家からの問い合わせもあるという。

  アダニ・グループの担当者は今のところコメントに応じていない。

  アダニ氏はヒンデンブルグが主張した不正疑惑を繰り返し否定し、法的手段に訴える構えを見せている。2日の動画で同氏は、グループ企業は「完璧な」債務履行実績があると明言した。

  グループ企業が発行した一部の証券は過去数営業日に急落し、資金繰りに窮した企業と見なされる水準にまで沈んだ。アダニ・ポーツ・アンド・スペシャル・エコノミック・ゾーンの2027年8月償還債は額面1ドル当たり71セント前後、アダニ・グリーン・エナジーの24年9月償還債は一時約64セントにそれぞれ下落した。セルサイドのストラテジストの一部からの建設的な評価もあり、この急落後に両社債は反発した。

原題:Adani Bondholders Turn to Advisers as Crisis Engulfs Indian Firm(抜粋)

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