ドル・円半年ぶり高値から反落、140円前半-米債務合意後買い一服
小宮弘子29日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=140円台前半と朝方付けた半年ぶり高値から反落した。米国の債務上限交渉の原則合意や米追加利上げ期待からドル買い・円売りが先行。その後は週内に発表される米主要経済指標や債務上限引き上げを巡る議会手続きを控えて、いったんドルを売る動きが優勢となった。
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あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、債務上限交渉の合意は先週末からある程度織り込んでいたし、「議会の決議が待っている段階でそこまでまだ楽観的にはなれない面もある」と指摘。「ドル・円の上昇スピードも速かったし、きょうは米国が休みなので、利食いの動きが入っている」と説明した。
ホワイトハウスと下院共和党の交渉担当者が債務上限の実質的引き上げで原則合意したことを受け、週明け早朝の取引ではリスク選好のドル売りが先行。米株価指数先物が時間外取引で上昇する中、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)中心に円売りも優勢となり、ドル・円は一時141円手前まで上昇したが、その後は上値が重くなった。
りそなホールディングス市場企画部の石田武為替ストラテジストは、債務上限問題の原則合意について、リスクセンチメント改善による円安もあるが、リスクオフのドル高一服という面もあり、そこまでドル・円が上昇する材料ではならないと指摘した。
一方、米追加利上げ観測は引き続きドル・円の下支えとなっている。26日発表の4月の米個人消費支出(PCE)統計ではインフレと支出がともに加速。金利スワップ市場では6月の追加利上げの織り込みが約6割に上昇した。
今週は米国で雇用統計など主要経済指標の発表が相次ぐ。あおぞら銀の諸我氏は、強い指標が続けば、ドル・円は上値を試す可能性があるとした上で、足元では重要指標を控えて「ドル・円をロングにしている人にしてみれば、良い利食いの場になっている」と話した。
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