ヘッジファンド、ハイテク株空売りが奏功-下落直前にショート拡大
Lu Wang (News)-
空売り比率の高い50銘柄で構成する指数が低下基調たどる
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ハイテク株を敬遠する動きが強まっている-ETFや先物取引の動向
「ミーム」銘柄マニアの台頭で消滅したも同然だった空売り戦略が、現時点でかなり奏功している。
特にヘッジファンドは、ハイテク株が最近値下がりする直前に弱気の投資を積み上げており、相場下落のタイミングをほぼ完璧に予測したと見受けられる。ゴールドマン・サックス・グループとブルームバーグの集計データによれば、ラッセル3000指数の中で空売り比率の高い50銘柄で構成する指数は過去11営業日のうち9日の取引で低下した。
投機の専門家であるヘッジファンドは、ショートポジションを拡大した直後に報われた。2月には個別銘柄の空売りを10年ぶりの低水準にしていたが、モルガン・スタンレーが集計したプライムブローカーのデータによると、株式エクスポージャーに占める空売りの割合はここ2カ月に約2ポイント上昇して26%に達した。
モルガン・スタンレーはヘッジファンドがターゲットにしている銘柄について具体的には示さなかったが、上場投資信託(ETF)や先物取引の動向を見ると、ハイテク株を敬遠する動きが強まっているのが分かる。インフレ懸念が割高なバリュエーションへの逆風となり値下がりが加速。利益を出していない企業が特に脆弱(ぜいじゃく)で、こうした銘柄の指数は2月のピークから約35%下げている。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は、空売りが増えたのは「4月の長期金利低下が一服したタイミングだ」とした上で、「今も増えつつあるが、極端な水準には戻っていない。このためヘッジファンドはショートスクイーズ(踏み上げ)をさほど懸念していない。実際、ハイテクセクターの下落が続けば、実質的に空売りを増やすだろう」と指摘した。
ナスダック100指数連動型ETFで最大の「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」とキャシー・ウッド氏の「アーク・イノベーションETF(ARKK)」はここ数週間に空売りが急増。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドを中心とする先物市場の大口投機家はナスダック100ミニを11週連続でネットショート(売り持ち)としている。
原題:
Hedge Funds Reloaded Their Shorts Just in Time for Tech Payday(抜粋)