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秋の夜長に酔いしれる、金木犀香る桂花陳酒のソーダ割。【わたしの家飲み偏愛レシピ|花摘知祐 vol.1】

お酒と食をこよなく愛する人のおしゃれな家飲みレシピ&ルールを教えてもらうこの連載──最新回に登場する花摘知祐さんは建築家だ。前回のゲストである宮田シェフに「彼の家飲みレシピが気になる」と言わしめる花摘さんが教えてくれたのは、楊貴妃も愛したというお酒がベースの秋らしいカクテル。

白ワインに金木犀を漬けた、楊貴妃の愛酒。

前回のゲストである宮田宏樹シェフが「お酒好きで美味しいもの好きな方なので、とても興味深い偏愛レシピを持っていそう」だと推薦してくれたのが、本連載初の飲食関連を本業にしていないゲスト・花摘知祐さんだ。青山のVOGUE Wedding Salonも手がけた建築家・永山祐子さんの事務所で番頭を務める傍ら、大学講師やGAKUのゲスト講師を務めるなど、建築を軸とした教育にも携わる。

「基本一年中、季節問わず、日も問わず、毎日晩酌をするのですが、唯一季節を感じて飲みたくなるのが桂花陳酒です。自宅で飲まれるという方は少ないかもしれませんが、実は中華料理店では定番のお酒だったりします。金木犀の花を白ワインに3年間漬け込むことで香りを熟成させた混合酒で、かつて楊貴妃が好んで飲んだと言われており、華やかな香りと甘みが特徴です」

白ワインがベースだが、ストレート、ロック、お湯割りなど、多様な飲み方に対応してくれる万能さも魅力だと花摘さん。「今回は桂花陳酒1:炭酸水2のソーダ割りにして、かつライムをしっかり加え、桂花陳酒の持つ甘味に酸味と少しの苦味を足してみました。この比率だと少しお酒が強いかもしれませんが、桂花陳酒ならではの透明感のあるだいだい色を残したかったので、あえて。もう少し度数を下げて飲みたいという方は、ソーダの割合をお好みで増やしてみてください」

今日のおとも: 焼き茄子の生姜ドレッシング和え

作り置きしているという万能自家製しょうがドレッシングをかけて。

「桂花陳酒を飲む際のアテは自宅でももっぱら中華料理。桂花陳酒✕ソーダの華やかな爽快感に、中華ならではの辛味や酸味、油の旨味がぴったり合います。できれば酢豚やエビチリなど、がっつりメニューと一緒に飲みたいのですが、仕事を終えて帰宅後の自分にはそんな余裕もなく……そんなときには、作り置きのしょうがドレッシングを適当な焼き野菜や肉にかけることで即席おつまみを作ってしまいます」

夏から秋にかけてが旬の茄子を使って、今回は焼きなすに。「油との相性がいい茄子をじっくりと揚げ焼きにして、そこに生姜の辛味と黒酢の酸味が効いたドレッシングをかければ完成です。桂花陳酒は少し重みのあるメニューと合わせる方がその魅力が引き立つと思います。このドレッシングは万能でサラダや刺身、シンプルに焼いた鶏肉などにもとてもよく合うので、ぜひ試してみてください」

用意するもの
しょうが お好みの量をみじん切りに(1-2かけ程度)
黒酢  大さじ2程度
醤油  小さじ2程度
砂糖 適量 
塩こしょう 適量
サラダ油 適量(黒酢と同量)
お好みの秋野菜など 今回は茄子1本を薄切りにして使用

Photos: Tomosuke Hanatsumi Text: Yaka Matsumoto