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米国株先物上昇、債務上限巡る合意で慎重ながら楽観的な見方広がる

更新日時
  • 欧州株はほぼ変わらず、米英市場が祝日のため休場で商い薄い
  • ファンダメンタルズの不安定な見通しをなお懸念とアナリスト

米株価指数先物は29日の取引で小幅上昇。米連邦政府の法定債務上限についてホワイトハウスと下院共和党が週末に原則合意したことを受け、米国はデフォルト(債務不履行)を回避できるとの慎重ながらも楽観的な見方が広がった。欧州株式相場はほぼ変わらず。休場の市場が多く、商いは薄かった。

  S&P500種株価指数とナスダック100指数の先物はいずれも約0.3%高。現物市場はメモリアルデー(戦没者追悼記念日)の祝日のため休場だった。これまで債務交渉の行き詰まりを巡る懸念の恩恵を受けてきたドルは軟調。年限10-30年の米国債に連動した先物相場は薄商いの中、上昇した。

  ストックス欧州600指数は0.1%安。総選挙の実施が発表されたスペインの株価は小幅下落。前日行われた統一地方選挙では、国政与党の社会労働党が大敗した。英国と一部の欧州諸国は祝日のため休場で、取引は通常より60%程度少なかった。スウェーデンの商業用不動産保有大手SBBの株価は上昇。身売りを検討する可能性があるとの発表が寄与した。アジア太平洋地域の株価指標は上昇したものの、香港上場の中国株は下落し、弱気相場入りに近づいた。

Chinese Stocks' Underperformance to US Peers Widens
 
 

  リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズのダン・スズキ副最高投資責任者(CIO)は「ネガティブなテールリスクが取り除かれつつあるというのが、明らかにポジティブな解釈だ。債務上限を巡る対立が影を潜め、投資家は基調的なファンダメンタルズに再び目を向けられるようになった。しかし、懸念されるのはファンダメンタルズの見通しが依然として不安定だということだ」と指摘した。

  欧州債は上昇。ドイツ10年債利回りは約11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、スペイン10年債利回りも同程度下げた。

  一方、トルコ・リラは下落。28日行われた大統領選の決選投票で現職エルドアン大統領が勝利した。トルコ株は上昇した。

  金はほぼ変わらず。安全資産需要が後退した。原油相場は続伸し、ビットコインも値上がり

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Source: Bloomberg

原題:Debt-Limit Deal Brings Relief Tinged by Caution: Markets Wrap(抜粋)

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