バイデン大統領と下院議長、債務上限で妥結はまだ-「建設的」協議も
Billy House、Laura Litvan-
バイデン大統領、デフォルトは選択肢にないと下院議長と一致
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合意に達するまで大統領と毎日協議する見通し-マッカーシー議長
バイデン米大統領とマッカーシー下院議長(共和)は22日午後、ホワイトハウスで再び会談に臨み、米国のデフォルト(債務不履行)回避に向け、債務上限を巡る協議を行った。大統領は「建設的な会合」だったと言明。議長も同様の認識を示す一方、合意には至っていないことを明らかにした。
バイデン大統領は会談後の声明で、「デフォルトは選択肢になく、誠意を持って超党派の合意に向かうのが唯一道であるとの点をわれわれはあらためて確認した」と指摘した。
会談は1時間余り行われ、マッカーシー議長は終了後に「今夜のトーンは以前のどの協議の機会よりも良好だった」とし、「建設的な話し合いを行った」と発言。ただ、「まだ妥結に至っていない」と語った。
議長はまた、合意に達するまでバイデン大統領と毎日協議する見通しだと説明した。
バイデン政権と共和党の交渉担当者は22日夜も協議を続けた。マッカーシー議長は「チームには今夜、作業してもらい、進展があるかどうか見守ることになる」とコメントした。
ホワイトハウス側の交渉担当者は連邦議会の建物に戻り、共和党の担当者と1時間余り協議した後、午後11時(日本時間23日正午)を少し過ぎたころに退出した。
バイデン大統領は会談の冒頭、「われわれは何かを成し遂げねばならない」と述べる一方、支出削減に加えて歳入を増やすという民主党側の要求を強調した。
大統領は「税制上の抜け穴」に対処して、富裕層に応分の負担を求める必要性にも言及し、この点では議会共和党との間で「意見の相違がある」と論じた。
大統領と下院議長は歳出削減の必要性について語り、マッカーシー氏は「軌道修正の必要性でわれわれは同意した」と発言。米国の債務が大き過ぎるという認識で一致したという。
イエレン財務長官は22日、議員らに宛てた書簡で、財務省が6月初めに十分な現金を使い切る「公算が大きい」とし、そのタイミングが早ければ6月1日に到来する可能性があるとあらためて警告した。
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両氏の会談に先立ち、政権と共和党の交渉担当者は同日午前に連邦議会議事堂で約2時間半にわたって協議を行った。
マッカーシー議長は午後、担当者同士の協議は生産的だったと発言。「われわれは引き続き取り組んでいく。合意には至っていない」と記者団に語り、「決断が下され始めなければならない」と述べた。
早ければ6月1日と言われている米国のデフォルトを回避するには、今週中の合意が必要だとマッカーシー氏は指摘。「合意は今夜にも、明日にも成立可能だ」と楽観的な見方を示しつつ、双方はまだ何も合意していないことを強調した。
最終的な合意が成立した場合、下院では「共和党議員の大部分」が支持するだろうともマッカーシー氏は述べた。下院は共和党が辛うじて過半数を有する。
マッカーシー氏は前日、日本から大統領専用機で帰国の途中にあったバイデン大統領と電話で協議。共和党側の交渉担当者であるマクヘンリー下院金融委員長は同電話協議について「生産的」だったと評価した。
マクヘンリー委員長は、電話協議が「われわれを交渉に戻した」とし、デフォルト回避に向けた「期限は分かっている。双方は誠意を持って取り組んでいるが、難しい問題を抱えている」と語った。
原題:Biden-McCarthy Debt Talk Ends With Optimism, But Without a Deal
Biden, McCarthy Meet on Debt as Yellen Says Cash Is Running Out
McCarthy Says Debt-Limit Talks Productive Ahead of Biden Meeting
Biden, McCarthy Set 5:30 PM White House Meeting on Debt Limit
Biden Will Meet McCarthy at 5:30pm to Discuss Debt Limit
McCarthy Says Debt Deal Must Happen This Week to Avoid Default(抜粋)