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独ワイヤーカードから顧客離れ相次ぐ、19億ユーロ所在不明で

  • グラブとオランジュ、パートナーシップを見直し
  • 暫定CEO、パートナー企業を安心させることが急務に

不祥事が発覚したドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードと距離を置く企業が相次いでいる。株価が急落し前最高経営責任者(CEO)が逮捕される事態に陥っている同社の経営立て直しを一段と難しくしそうだ。

  シンガポールの配車サービス会社、グラブ・ホールディングスもその1社で、グラブはワイヤーカードとのパートナーシップに関する統合作業に着手していないことを明らかにした。

  フランスの通信企業オランジュはオランジュ・バンク部門向けに新たな決済パートナーを近く確保すると、事情に詳しい関係者1人が匿名を条件に述べた。ワイヤーカードとの問題は主に技術的なものだが、同社の不祥事が新たなサービス提供会社への変更を加速させていると同関係者は語った。

  こうした顧客企業の懸念は、ビジネスパートナーを安心させることがジェームズ・フライス暫定CEOにとって急務であることを浮き彫りにしている。

  同社はマスターカードやビザ、JCBインターナショナルとライセンス契約を結んでおり、それを通じて銀行部門がクレジットカードを発行している。ワイヤーカードが所在不明の19億ユーロ(約2300億円)を発見できなければ、カード会社がライセンスを取り消す理由になりかねない。

  ワイヤーカードの広報担当者は、同社の状況について発表することはないと述べた。

原題:
Wirecard Clients Get Cold Feet After $2 Billion Goes Missing(抜粋)

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