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米国株の強気派ひるまず、先週の債券波乱でも株式ETFに資金流入

  • 金利急騰でも株式ETFに資金流入続く、2月は12カ月平均の4倍
  • 2月25日の市場混乱の中でVIXや出来高は落ち着いた動き

債券市場を1年ぶりに襲った高いボラティリティーに株式投資家は悩まされる素振りを全く見せていない。勇敢な決意からか、途方もない純朴さによるものか、いずれにせよひるんでいない。

  米国債利回りが急上昇し、株式市場全般に下押し圧力がかかった先週、米国の上場投資信託(ETF)には資金が一貫して流入。市場の波乱がピークに達した2月25日には27億ドル(約2900億円)が殺到した。ブルームバーグの集計データによると、2月の合計ではETFへの資金流入は過去12カ月平均の4倍の800億ドルに上った。

Investors scooped up equity ETFs as stocks pulled back

  背景にはS&P500種株価指数を11カ月で70%上昇させてきたのと同じ楽観がある。利回りの急上昇で株式バリュエーションの支えが1つ損なわれるものの、強気派はそれを経済の力強さのサインとし、企業収益を後押しすると受け止めている。

  バンテージポイント・インベストメント・アドバイザーズのウェイン・ウィッカー氏は「投資家は今の市場を見て、『思ったよりも早く回復しそうだ。それに応じて自分の態勢を整える必要がある』と話している」と述べ、「チャンスを逃し投資が不十分になることへの不安がある」と指摘した。

  株式相場に強気な見方は最近、試練にさらされている。先週は米10年国債利回りが1年ぶりの高水準に達し、バリュエーションが高かった人気株が大きな打撃を受けたほか、ナスダック100指数は昨年10月以来の週間下落率を記録した。

  それでも投資家は押し目を買った。25日の相場急落中も、パニックの兆候はほとんどなかった。同日の出来高は年平均とほぼ同水準で、シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)のスポット価格は先物の第1限月と第2限月を下回る水準にとどまり、逆ざやを形成しなかった。

VIX curve has stayed negative during the equity rout

  ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト最高投資責任者(CIO)は、「投資家が押し目買いに慣れた理由は多い。米国内総生産(GDP)成長率は6%以上になるとほぼすべてのエコノミストが考えている。泡立ちかねないインフレの見通しは一部あるが、生活を変えるような恐ろしいインフレは経験していないため、インフレは警戒されていない」と語った。

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出典:ドイツ銀行

原題:
Undaunted Bulls Keep Shoveling Money Into Stocks Amid Bond Rout(抜粋)

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